ソニー、ゲーム部門を約900人解雇。歴史あるLondon Studioも閉鎖

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、傘下のPlayStation Studiosを含む大幅な人員削減を発表した。世界中の社員が対象となり、全人員の約8%、約900人が影響を受ける見込みだ。

同社のジム・ライアンCEOは「数か月間、慎重に検討を重ね、リーダーシップチームで何度も議論を行った結果、今後もSIEの事業を成長させ、会社を発展させていくためには、この改革が必要であるという結論に至りました」と述べている。

その中でも大きな衝撃が、22年もの歴史あるLondon Studioの解散だ。『This is Football』『The Getaway』『Singstar』など、日本では馴染みは薄いが、海外では存在感のあった開発スタジオである。同社は2022年10月に、ロンドンを舞台とした協力型アクションゲームを発表していたが、それも開発中止となるようだ。

ほか、SIEは複数のメディアに、Insomniac Games(『Marvel’s Spider-Man』シリーズ)、Naughty Dog(『The Last of Us』シリーズ)、ゲリラゲームズ(『Horizon』シリーズ)にも影響するとコメントしている。

これらはいずれも、PlayStationタイトルのなかで大成功を収めているスタジオである。Bloombergの匿名情報筋は、ゲリラゲームズは従業員の10%、およそ40人を削減すると述べている。

また公式に言及されているFirespriteは、ゲリラゲームズとPS VR2用ソフト『Horizon Call of the Mountain』を共同開発し、最近ではホラーゲームに取り組んでいるとの噂もあったが、それが中止になったかどうかは今のところ不明だ。

PlayStation独占タイトルの数々は、表向きは華々しい成功を収めながらも、開発費が高騰しているとみられている。たとえば昨年末、Insomniacがランサムウェア攻撃を受けた際に、最終的なコストは約3億ドル(約450億円)で、前作の約3倍に上ったとの社内資料も流出していた

マイクロソフトも、今年初めにゲーム部門の人員を約1900人解雇していた。PS5とXbox Series X|Sともにライフサイクルの後半に差し掛かり、そろそろ次世代機の噂も相次いでいるが、表現力の向上は開発費の増加に繋がりやすい。この難局をどう乗り切るのか、あるいは別の方向に転じるのか、注視したいところだ。

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