美術作品を見て感じたことを自由に発言する「対話型の鑑賞方法」が、東御市の小学校で取り入れられています。自ら探求し、学ぶ力を育む取り組みです。
朝、1時間目が始まる前。東御市和小学校2年生のクラスです。教室のモニターに作品が映し出されると、子どもたちの間で一気に会話が広がります。
■児童
「あの黄色いやつ梨なの?」
「なんかー、夜みたいでさ、ストローみたいなのあるけど、なんかの道かな?」
■先生
「どれどれ?ここの線が道に見えてジャンプすると、ここにまた橋みたいなのがあるから、それでこういう感じで丘に着くって感じで」
一方、他の児童は…
■児童
「この白い線がストローで、これがお茶入ってて、このストローでお茶飲む」
■先生
「なるほどね、お茶が入ってるってこと?上から見てるってこと?」
これが「対話鑑賞」です。題材となった作品について、感じたこと、思いついたことを思い思いに発言。子どもたちの想像はどんどん膨らんでいきます。
■児童
「ここが窓みたいに見えて、ここがカーテンみたいになってて、ここが海で、ここに船があるように見えた」
東御市では行政・美術館・学校が連携し、朝の活動の時間を使い、市内全ての小中学校で今年度から「対話鑑賞」を取り入れています。和小学校では「朝鑑賞」として去年9月からスタートしました。
■東御市立和小学校・宮下聡校長
「対話鑑賞をやることによって図工未術の力を伸ばすというよりも学びの基本的なベースの力を耕す意味合いがあると思って取り組んでいます」
担任の先生が市内の美術館などから提供された作品のデータを使い、子どもたちがのびのびと発言できるようサポート。
■担任
「この写真だったら絶対こう言うだろうなと思って見せても、全然違う意見が出てきたりするので面白いです」
月に2回の「朝鑑賞」。児童たちは…
■児童
「皆の意見も違って、皆の意見も聞けてやっぱり面白い」
■児童
「朝鑑賞って楽しいからもうちょっと増やしてほしい」
宮下校長は「朝鑑賞」を始めてから子どもたちに変化があったと感じています。
■東御市立和小学校・宮下聡校長
「他の授業ではなかなか手が上がらなかったり発言がなかったりっていう子どもたちが、のびのびと発言できるようになったっていう声は先生たちの中でも良く聞かれます。違っていることが面白いっていうふうに思う子どもが増えてきた気がします」
今後は実物の作品などを使い、さらに学びの探求につなげることも検討しているそうです。