グローリー新社長に原田氏 海外事業の拡大目指す 三和社長は会長に 

原田明浩氏

 貨幣処理機大手のグローリー(兵庫県姫路市)は28日、三和元純社長(69)が代表権のある会長に就き、原田明浩取締役専務執行役員海外カンパニー長(60)が社長に昇格するトップ人事を発表した。4月1日付。

 原材料価格の高騰で2023年3月期決算が上場以来初の最終赤字になるなど、一時業績が落ち込んでいたが、24年3月期はV字回復して最高益を見込む。今後は海外を中心に事業拡大を目指すとして新体制への移行を決めた。

 三和氏は三井住友銀行出身で、取締役専務執行役員、副社長などを経て19年4月に社長に就いた。キャッシュレス化など事業環境が大きく変化する中で、ビジネスモデルの転換に向けた基盤づくりに注力した。

 新社長となる原田氏は、金融機器事業部姫路工場生産技術部長や海外事業本部長などを経て20年に取締役専務執行役員に就任。近年の海外企業買収で中心的な役割を担ってきた。

 原田氏は同日会見し、「リテール(小売り)と飲食向けの事業を、米国を中心に大きく成長させたい」と述べた。(石川 翠)

【原田 明浩氏(はらだ・あきひろ)】金沢工業大工学部卒。85年グローリー工業(現グローリー)。取締役常務執行役員などを経て、18年から海外カンパニー長、20年4月から取締役専務執行役員。養父市出身。

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