中国、台湾周辺の海警局パトロールに「非難の余地なし」

[北京 28日 ロイター] - 中国政府は28日、台湾周辺の島々に対する中国海警局(沿岸警備隊)のパトロールに「非難の余地はない」とし、台湾の観光船への臨検を問題視する台湾の主張を退けた。

台湾海峡では14日、台湾が実効支配する金門島周辺で制限水域に進入した中国船が台湾の沿岸警備当局の追跡から逃れようとして転覆、中国人2人が死亡した。

これを受け、海警局は周辺海峡でパトロールを開始すると発表。19日に金門島から出航した台湾の観光船に海警局の職員が乗り込み、臨時の検査を行った。台湾側は臨検が「パニック」を引き起こしたと非難し、今週には5隻の中国船が制限水域に入ったと発表した。

中国の台湾事務弁公室の報道官は会見で、金門島周辺には漁船の立ち入り禁止水域はないと改めて述べ、観光船への臨検が問題を招いたわけではないと説明。海警局は秩序を維持し、漁民や旅行者の生命を守るため、法律に従って「自国の海域」で公務を遂行しているとし、「非難されるものではない」と語った。

その上で、危険な取締りを行った台湾に責任があると述べた。

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