上海への外資進出進む、多国籍企業地域本部が962社に

上海への外資進出進む、多国籍企業地域本部が962社に

27日、上海市が開いた多国籍企業地域本部・研究開発センター、海外投資促進グローバルパートナーの認定書授与式および外資プロジェクト集団契約式。(上海=新華社配信)

 【新華社上海2月28日】中国上海市で27日、多国籍企業地域本部・研究開発センター、海外投資促進グローバルパートナーの認定書授与式および外資プロジェクト集団契約式が開かれ、今年1月末時点で上海にある多国籍企業の地域本部が962社、外資系研究開発センターが563カ所に達したことが明らかになった。

 上海市は同日、多国籍企業地域本部34社、外資系研究開発センター17カ所、第1陣の海外投資促進グローバルパートナー10社に認定証明書を授与し、外資プロジェクト63件の新設・投資追加契約を締結した。

 同市商務委員会によると、新たに認定された多国籍企業地域本部と外資系研究開発センターはレベルが高く、大中華圏以上の地域本部が14社、事業部門本部が2社、グローバル研究開発センターが2カ所含まれる。外資プロジェクト63件は投資総額が約64億7千万ドル(1ドル=約150円)に上り、上海の重点産業体系に焦点を合わせ、バイオ医薬品、電子・情報、自動車などの重点産業とデジタル経済、グリーン(環境配慮型)・低炭素などの振興産業に関連している。

 食品メーカー、クラフト・ハインツは多国籍企業地域本部の認定を受けた。フレッド・フレイヤーアジア地域社長は「クラフト・ハインツは中国に進出した1984年から、中国を事業の戦略的市場と成長エンジンとして位置付けている」と紹介。中国は長期的に成長していく鍵だとの認識を示し、これはクラフト・ハインツの戦略的な選択であるだけでなく、多くの多国籍企業の選択でもあると強調した。

 人事管理ソフトウエアプロバイダー・サービスプロバイダーのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の馬莉(ば・り)北アジア地域総経理は「北アジア地域本部を上海に置くのは、中国という戦略市場を重視しているだけでなく、上海の優良な外資系企業向けビジネス環境を認めていることも示している」と述べた。

 同日には10社が第1陣として海外投資促進グローバルパートナーに「昇格」した。米事業用不動産サービス大手CBREの李凌(り・りょう)中国地区総裁は、引き続きグローバルなリソースと現地化した専門チームを頼りに、政府の企業誘致・外資導入に積極的に協力、外資企業の対中投資に力を入れるとの考えを示した。

 大手国際会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)グレーターチャイナのマネージング・パートナー、畢舜傑(ひつ・しゅんけつ)氏によると、EYは直近3年、上海における新産業、新事業の展開、管理能力向上で数十社の多国籍企業に協力する一方、米国や英国、日本などの国・地域における上海各級政府の企業誘致イベントにも積極的に協力・参画してきたと振り返った。

 データによると、上海の2023年の外資導入額(実行ベース)は240億ドルに上り、過去最高を記録した。(記者/周蕊)

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