逆転勝利の瞬間も冷静沈着なリラード…本人が明かすその驚きの理由とは

2月19日(現地時間18日、日付は以下同)に開催された「NBAオールスター2024」では、オールスターゲームのMVPという新たな栄冠を勝ち取ったミルウォーキー・バックスのデイミアン・リラード。その前日には3ポイントコンテスト連覇も達成しているが、祭典の場においてもリラードは終始クールな表情を崩さずに楽しんでいた。勝負どころに強く、これまで何度も観客やチームメートを歓喜の渦に取り込んできたリラードだが、渦の中心で冷静にポーカーフェイスを貫く姿は、『デイム・タイム』という異名に並んでリラードを象徴するものになってある。

そのリラードが、歓喜の場面でもポーカーフェイスを貫く理由を語った。バックスでのチームメートであり、ヤニス・アデトクンボの弟でもあるタナシス・アデトクンボのポッドキャストに出演したリラードは、タナシスから「なぜブザービーターを決めても全く喜ばないのか」という質問を受け、次のように語った。

「今からする話は1000パーセント実話だよ。16歳の時、僕の所属するチームは(サンフランシスコ・)ベイエリアのトーナメントを戦っていて、試合時間残り数秒で2点ビハインドだった。僕は残り時間がゼロになる前に3ポイントを決めて、逆転した。僕もチームメートも勝利を喜び、僕はユニフォームを脱いで叫んだんだ」

高校生の段階で既に『デイム・タイム』の片鱗となる勝負強さを見せたリラード。劇的な逆転ブザービーターを沈め、チームメートと共に喜びに酔いしれていたが、話はここで終わりではなかった。

「するとコーチがコートに駆け込んできて僕に言ったんだ。“早くユニフォームを着ろ!”ってね。僕は手に持っていたユニフォームを急いで着たんだけど、審判が僕に向かってテクニカルファウルをコールしたんだ。コートの上でユニフォームを脱いだことに対してね。高校の試合では、テクニカルファウルには相手チームに2本のフリースローが与えられる。相手チームは2本のフリースローをどちらも決め、僕たちは試合に負けてしまったんだ」

逆転の3ポイントを沈めたにも関わらず、リラードが喜びを爆発させすぎてテクニカルファウルをとられしてしまい、チームは残り時間0秒で再逆転負けを喫した。「世界の終わりのような気分だった。この傷はずっと残っているよ」と苦笑いを浮かべて振り返るリラードは、この日を境に喜びを表に出すことを控えるようになったという。

『デイム・タイム』に沸く歓喜の中でクールにたたずむリラード。今シーズンも折り返しを迎え、プレーオフに向けて激しい戦いが繰り広げられる中、再びこの姿が見られる日も近いかもしれない。

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