2年ぶりにJ2を戦う横浜FCは、開幕節で山口とホームで対戦。52分に先制を許すも、59分にCKから中野嘉大が同点弾。1-1で引き分けた。
1年でのJ1復帰を期すチームは、負けはしなかったが白星発進はできなかった。試合内容も、相手の効果的なロングボールにやや手を焼いた印象で、押し込まれる時間は長かった。
なぜ守勢に回ってしまったのか。3バックの一角でフル出場したンドカ・ボニフェイスは「相手がやりたいような流れにしてしまった」と振り返る。
「自分たちは、プレスをかけて前からボールを取りたかった。でも、相手のボランチが下がったりしてポジションを崩すなかで、誰がそこにプレッシャーをかけにいくかというところで、後ろも押し出せずにしている間に、相手は顔が上がったら、すぐ背後を狙ってくる。自分たちもそこまでラインを低くしていたわけではなかったので」
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思うように高い位置でハメられない。そこで相手がロングボールを多用するなら、一度、重心を下げるか。だが、自分たちがやりたいのはプレスをかけること。そのジレンマに悩まされたようだ。
ンドカは「後ろの自分としては」と改善策に見解を示す。「はっきりしない時は、逆に下げさせる。後ろにコンパクトにするのも1つの手だったかなと思います」。
自分たちのスタイルを貫くのは大事だが、試合の状況に応じては臨機応変に振る舞う。そのアレンジの精度が高まれば、さらに安定した戦いができるはずだ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)