【米大統領選2024】 バイデン氏、ミシガン州予備選で勝利 ガザ情勢めぐる抗議票も多数 

米ミシガン州で27日、大統領選の予備選があった。民主党はジョー・バイデン大統領の勝利が確実となっているが、抗議の票が何万票も投じられた。共和党はドナルド・トランプ前大統領が勝利する見通し。

民主党の予備選では、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルの戦争に対するバイデン氏の姿勢を批判する人々が、「支持者なし」と投票するよう党員らに呼びかけた。

開票率32%の時点で、「支持者なし」の投票は4万票をと、予想を超えている。

BBCが提携する米CBSニュースによると、バイデン氏の得票率は約80%となっている。

バイデン氏は、「今日声を届けてくれたすべてのミシガン州民」に感謝するとの声明を発表。抗議の票には触れなかった。

11月の大統領選に向けた指名候補争いは、民主党ではバイデン氏の勝利がほぼ確実な状況となっている。一方、共和党はトランプ氏が指名候補となる見通しで、本選挙は2020年の前回と同じ顔合わせが予想されている。

トランプ氏はミシガン州での予備選勝利を祝う集会で、「素晴らしい一日」だったと演説。「私たちは大勝利し、誰も見たことのないような選挙になるだろう」と述べた。

「支持者なし」、予想上回る多さ

民主党予備選での「支持者なし」の票数は、バイデン氏再選に反対するいくつかの団体の予想を上回った。

ミシガン州の運動家たちは、ガザ情勢をめぐって「停戦しなければ、投票もしない」とのメッセージをバイデン氏に送ろうと、数カ月前から活動してきた。この日の予備選は、その最初のチャンスだった。

「支持者なし」の投票を呼びかけた元連邦下院議員のアンディ・レヴィン氏は、開票状況を見守る集会で、「今夜ここにいることを、私はうれしいと感じてはいない。(ガザでは)何千人もの人々が死んでおり、私は必要に迫られてここにいる」と話した。

同州ディアボーンで「支持者なし」の票を投じたという女性(32)は、「ジェノサイド(大虐殺)・ジョー」に投票したくなかったとBBCに説明した。この表現は、イスラエル軍のガザでの行動に関する疑惑に触れたものだが、イスラエル軍は虐殺を強く否定している。

ミシガン州の民主党予備選で「支持者なし」の票が多数投じられたことは以前もあった。2020年は約1万9000票、2016年は2万1601票が「支持者なし」だった。2008年には23万8000票に上ったが、これは当時指名候補を争っていたバラク・オバマ氏の陣営が、党内対立を理由に同州予備選への不参加を決め、「支持者なし」に投票するよう呼びかけたためだった。

ミシガン州は、大統領選の本戦で行方を決定づける重要州の一つ。2016年大統領選ではトランプ氏が勝利したが、2020年にはバイデン氏が約15万票差をつけて共和党から奪い返した。

同州はアラブ系アメリカ人の割合が全国で最も多い。AP通信によると、2020年大統領選では全国で64%のイスラム系有権者がバイデン氏を支持した。

バイデン氏への支持

一方、バイデン氏を支持する民主党員も多い。

ミシガン州フリント市の教会の事務長を務めるキム・マードー氏は、「民主党に投票した。個人的には、政権がしてきたことに問題があるとは思っていない」と話した。

マードー氏はまた、81歳というバイデン氏の年齢に対する懸念は、支持をやめるほどのものではないと述べた。「大統領になってもらうのは、犯罪者よりも、少し物忘れをする人の方がいい」。

ミシガン州では他の数十州と同様、党員かどうかに関係なく予備選で投票できる。ただ、どの党の予備選に投票するのか選ぶ必要がある。

(英語記事 Biden wins primary but suffers Gaza protest vote

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