オムニバスドラマ「ユーミンストーリーズ」主演・夏帆、麻生久美子、宮﨑あおいがユーミンの魅力を語る

NHK総合ほかで3月4日から3週にわたって放送される夜ドラ「ユーミンストーリーズ」(月~木曜午後10:45ほか)の試写会が行われ、各週で主演を務める、夏帆麻生久美子宮﨑あおいと、制作統括の神林伸太郎氏が出席した。

「ユーミンストーリーズ」は、“ユーミン”こと松任谷由実の名曲からインスピレーションを得て3人の小説家が生み出した物語を、3人の脚本家と3人の監督たちが集結して描いたオムニバスドラマ。試写会には松任谷由実からコメントが届き「私の楽曲→短編小説→脚本+演出+役者さんたちの演技→ドラマ。こんなバトンリレーがあるなんて、不思議で光栄です。関わってくださった皆さんそれぞれの解釈が、クリエーターとしても興味深かったです。歌は作り手ではなく、受け手のものだとずっと思ってきましたが、自分のもとを離れたら、本当にさまざまな物語になっていくのだなと実感しました」と感想を伝えた。

第1週に放送されるのは「青春のリグレット」。夫婦生活が破綻しかけている菓子(夏帆)が、旅先での出来事をきっかけに青春時代の記憶が後悔となって呼び起こされる、ほろ苦い恋の物語。菓子を演じる夏帆は「麻生久美子さんと宮﨑あおいさんの作品をずっと見てきたので、同じドラマに出演できてうれしいです。撮影期間は2週間もなかったのですが、毎日本当に濃密な時間を過ごしました。数カ月間この作品に参加しているのではないかというぐらい、達成感と充実感がある作品でした」と撮影を振り返った。また、菓子の印象について「きっと本気で人と向き合うことも、大きな挫折もしたことがない人。そんな彼女がつらい立場に立たされることで、自分の過ちに気付き、成長していきます」と紹介した。

続く第2週は、主演の麻生がスーパーマーケットで働く藤田朋己を演じる「冬の終り」。新人の仙川真帆(篠原ゆき子)との関係に悩んでいる朋己は、ある日、有線である曲が流れたことで仙川との関係に変化が訪れ、ちょっとした大ごとに発展してしまう友情を軸にした物語が描かれる。麻生は「ユーミンさんの曲から始まって、今ここに私がいることがすごく不思議。縁を感じています」と話し、「朋己は人と関わるのがすごく苦手で、生きづらさを抱えています。しかし、ある曲がきっかけで人と距離を縮めたいという思いを抱く人です」と朋己の人物像を明かした。

ラストの第3週は「春よ、来い」。一族がもつ“あれ”の力を授かり、誰のために使ったらいいのか悩むカナコ(宮﨑)に待っていたのは…。誰かを思う気持ちが春を連れてくる心温まる物語だ。宮﨑は「事前に役者さんたちと台本の読み合わせができたことと、監督の丁寧な演出のおかげでカナコのイメージをつかむことができました。彼女は自分から距離を縮めようとせず、ゆっくり話す人なのかなと。毎日楽しくお芝居させていただきました」と役への手応えと感謝を述べた。

ユーミンの魅力や曲について、夏帆は「『青春のリグレット』の“私を許さないで憎んでるの覚えてて”という歌詞が印象的で、ドラマの核になっています。ユーミンの歌詞に出てくるシーンもあるので、歌の世界に入り込めているような不思議な気分でした。ユーミンさんの曲は聴くだけで、その場面や匂い、湿度が伝わってくるからすごい。母とも好きな曲や歌詞の世界観について話すことができるので、世代を超えて愛されてきた音楽だとあらためて実感しました。曲は『潮風にちぎれて』が、海を感じるのですごく好きです」とドラマの見どころも交えて魅力を語った。

続いて麻生は「ユーミンさんはどの年代の曲を聴いても、古さを全然感じさせないところが魅力的。好きな曲は『真夏の夜の夢』です。エキゾチックでノリノリなところが好きなんです」と笑顔で回答。最後に宮﨑が「撮影前からユーミンさんの曲を聴いたり、ライブにも行きました。そのライブで『春よ、来い』を歌ってくださったので、勝手にバトンを受け取った気持ちになり、パワーをもらいました。ユーミンさんの曲は、大人から子どもへ受け継いでいくものという気がします。ライブを拝見したり、ドラマで演じたことで、ますますファンになりました」と3人ともユーミンの曲の素晴らしさを熱弁した。

制作統括の神林氏は「3作ともユーミンさんの曲でありながら、違う個性を持って生み出された作品。ユーミンさんの曲がどんな形で登場するのか楽しみにしてほしい」とアピールした。

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