新庄監督もうれしい悩み? 豪華な先発陣で日ハムに「下克上」の予感

2年連続最下位に低迷しているチームと思えない。先発陣の顔ぶれを見ると、「投手王国」の雰囲気を漂わせるのが、日本ハムだ。

上沢直之が23年オフにポスティング・システムでレイズとマイナー契約を結んだが、補強に成功して戦力は厚みが増している。FA争奪戦を制し、オリックスから山崎福也を獲得。バーヘイゲンが3年ぶりに復帰し、新外国人のマーフィーが加わった。開幕投手に指名された伊藤大海、制球力が抜群の左腕・加藤貴之、山崎、マーフィーの4投手は先発ローテーションに入ってくるだろう。

「投打ががっちりかみ合えば今年は上位を十分に狙えると思います」

残りの2枠を巡る争いもハイレベルだ。マーフィーは対外試合初登板となった17日の韓国サムスン戦(名護)で、2回4奪三振無失点と完ぺきな投球。球威十分の直球で制球力も安定していた。左腕の根本悠楓も25日の広島戦(名護)で4者連続三振を奪うなど3回2安打無失点。北山亘基も圧巻の投球を見せた。27日の練習試合・巨人戦で4回無安打無失点。直球は最速157キロを計測するなど常時150キロ以上を計測し、存在を強烈にアピールした。

日本ハムを取材するスポーツ紙記者は「この他にも金村尚真、上原健太、鈴木健矢と力のある投手が先発枠を狙っています。順調な仕上がりを見せているので、新庄剛志監督もうれしい悩みでしょう。投打ががっちりかみ合えば今年は上位を十分に狙えると思います」と期待を込める。

23年は2ケタ勝利を挙げた投手が1人もいなかった。個々の能力は高いだけに、1人でも多く殻を破ればチームも最下位からジャンプアップできる。今年は他球団にとって、手ごわい存在になりそうだ。

(中町顕吾)

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