『グラスハート』にかける佐藤健の“本気” 町田啓太、志尊淳、菅田将暉ら音楽経験者が集結

『今際の国のアリス』シリーズ、『First Love 初恋』(2022年)、『幽☆遊☆白書』(2023年)など近年世界的なヒット作も生み出している、日本のNetflixオリジナルドラマシリーズ。その新作となるNetflixシリーズ『グラスハート』が、2025年にNetflixで世界独占配信されることが決定した。主演は、佐藤健が務める。

本作は、1993年から現在にかけて書き継がれる若木未生による同名のライトノベルシリーズを原作とする青春音楽ドラマ。所属していたバンドを理不尽な理由でクビになった大学生・西条朱音。だが、朱音は「ロック界のアマデウス」と呼ばれる天才音楽家・藤谷直季から突然、彼が率いる新生バンドのドラマーとしてスカウトされる。

佐藤は孤高の天才音楽家で、バンドではベーシスト兼ボーカルを担当する藤谷直季役を演じる。なお、本作は佐藤自身の渾身の企画でもあり、共同エグゼクティブプロデューサーも務める。ヒロインとなる大学生の天才ドラマー・西条朱音を演じるのは、オーディションで選ばれた宮﨑優。さらに、努力家のカリスマギタリスト・高岡尚を町田啓太、超音楽マニアの孤独なピアニスト・坂本一至を志尊淳、そしてライバルとなるカリスマバンドのボーカル・真崎桐哉を菅田将暉が演じる。

豪華俳優陣が共演するこの作品、とにかく全てが“本気”なのである。俳優たちは実際にハードな楽器の練習を重ね、演奏シーンに挑んでおり、ライブシーンの撮影は何万人ものエキストラを集めて敢行されたという。

本作でバンドメンバーとなる佐藤、町田、志尊はこれまでにも音楽をテーマとした作品に出演。佐藤は映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013年)にてベーシストの小笠原秋役、町田は映画『太陽とボレロ』(2022年)にてアマチュア交響楽団のトランペッター・田ノ浦圭介役、志尊は映画『覆面系ノイズ』(2017年)にてギタリストの杠花奏役を演じている。それぞれの作品で演奏シーンがあり、吹き替えなしで演奏したり、実際にCDデビューをしたりするなど、彼らは見事な演奏を披露していた。

だが、これまでに演奏経験があるからそれを活かせるかというとそうでもない。楽器というのは日常的に演奏していなければすぐにできなくなってしまうし、本作では新たな楽器に挑戦している者もいる。町田は「僕はギター未経験ですが、素晴らしいスタッフの皆さんの力をお借りしてこのために本当にたくさん準備してきました」、志尊は「キーボード、ベース、コーラスとやるべきことが沢山ありますが、頑張ります」と、その奮闘は寄せられたコメントからも伝わってくる。果たして3人はどんな演奏を見せてくれるのか。

また、菅田も音楽映画への出演経験があり、GReeeeNの楽曲「キセキ」誕生までの実話がもとになっている映画『キセキ ーあの日のソビトー』(2017年)にて松坂桃李とともにW主演を務めている。そして、そのボーカルとしての才能は広く世に知れ渡っており、菅田は今やアルバム3枚をリリースし、日本武道館でライブも行う人気アーティストとなっている。そんな菅田がライバルバンドのボーカルを演じるのだ。佐藤も本気の歌唱を見せてくれるに違いない。

本作が初プロデュース作品となる佐藤は、人気・実力ともに兼ね備えた町田、志尊、菅田を「アジアスターになってほしい人」として名前を挙げ、直接出演をオファーしたよう。その時の姿は、3人から口々に「とてつもない熱量」と語られている。

さらに佐藤はこの作品を、日本の実写作品も同じように世界中に愛されるものになってほしいという自身の目標実現の最初の一歩と位置付けており、「音楽というテーマも、天才という役柄も、ハードルが高いことを承知しています。しかし越えられるかわからないような大きな壁に挑戦していくことだけが、まだ見ぬヒット作を産む唯一の方法だと信じています」と熱い気持ちのこもったコメントを寄せている。これだけでも佐藤が相当の覚悟と熱量を持って制作に臨んでいることが窺える。プロデューサーのひとりからこんな“本気”を見せられては、期待しないはずがない。2025年の配信スタートをドキドキしながら待っていたい。

参考
※ https://realsound.jp/movie/2024/02/post-1584786.html
(文=久保田ひかる)

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