中日の補強はリーグトップ、田尾安志氏が太鼓判 新戦力充実ぶりに「ここ数年にない大きな補強」

プロ野球楽天の初代監督で野球解説者の田尾安志氏(70)が2024年2月27日にユーチューブを更新し、セ・リーグ6球団の新戦力を独自分析した。田尾氏は各球団が春季キャンプを張る沖縄県を訪れ、それぞれのチームを視察した上で「ドラゴンズの戦力補強はここ数年にない大きな補強」と高く評価した。

中日は「非常に野手陣の新戦力が多い」

セ・リーグのキャンプを視察した田尾氏が注目したのは中日だ。プロキャリアをスタートした球団でもあり、9年間プレーした。

田尾氏は「改めて見て感じたのはドラゴンズが新戦力を考えると1番多いなという気がしました」と指摘し、野手の戦力に言及した。中日はオフに得点力向上を目的に中田翔内野手(34)をはじめ中島宏之内野手(41)、山本泰寛内野手(30)、上林誠知外野手(28)らを獲得した。

「去年故障で出れなかった田中幹也選手、今のところ順調にきている。そして中田翔が来ました。現在はまだ育成ですけれどもショートを守っていた(クリスチャン)ロドリゲス。彼ももしかすると支配下登録されるかもしれない。外野では三好(大倫)、(アレックス)ディカーソン、故障で出遅れているが上林(誠知)。こういう選手がいます。非常に野手陣の新戦力が多い」

そして投手陣の戦力を分析。23年シーズンのチーム防御率は3.08で阪神に次いでリーグ2位だった。先発、中継ぎ陣が安定した力を発揮するも打線の援護に恵まれず接戦を落とすゲームが多く、勝利につながらなかった。

「一番厳しくなると思ったのがヤクルトスワローズ」

田尾氏は「投手陣をみると根尾(昂)君がピッチャーで行くということではっきりしました。そして梅津(晃大)、今年は戦力になる気配です。大野(雄大)選手もそうですね。梅津、大野、根尾。みんな先発候補ですから去年ほとんど戦力になっていない人たちが戦力になりそうだということ」と分析し、次のように続けた。

「(ウンベルト)メヒアは去年途中から出て8ゲーム先発して3勝1敗、防御率が2.23という安定したピッチングをしていた。このメヒアが開幕からローテーションに入ってくるとかなりレベルアップになっていくと思う。中継ぎは梅野(雄吾)がヤクルトから入っている。こうやってみてみるとドラゴンズの戦力補強はここ数年にない大きな補強をした」

中日がリーグトップの戦力補強をしたと評価する一方で、戦力的に「一番厳しくなると思った」のがヤクルトスワローズだ。連覇を狙った23年シーズンはまさかの5位に終わった。勝率は5割を切り、最下位の中日とはゲーム差がなかった。

田尾氏は「監督とも話をして今年は高橋(奎二)、奥川(恭伸)の若いピッチャーに頑張ってもらわないと困るという話をしていたのですが、その中で奥川選手が故障という事になりました。これは厳しい。先発候補として取った(ミゲル)ヤフーレ、この選手も現状、今のところあまり高い評価ができない。あとの新戦力がちょっと見当たらない。スワローズはちょっと厳しいなというのが現状の評価です」との見解を示した。

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