「バスケ界のために実現すべき」…元オールスター選手がヤングのスパーズ移籍を切望

2月24日(現地時間23日)、アトランタ・ホークスのトレイ・ヤングはトロント・ラプターズとの試合中に左手を負傷。検査の結果、左手小指の外側側副靭帯損傷のため最低4週間の離脱が明らかになった。

現在25歳のヤングはこれまで3度のオールスター選出を誇り、キャリア6年目の今シーズンは51試合の出場で平均26.4得点10.8アシスト1.4スティールを記録。得点、アシスト、スティールの全ての平均スタッツにおいてチーム最多をマークし、文字通りチームを牽引する存在となっていた。一方、ホークスは27日終了時点でイースタン・カンファレンス10位(26勝32敗)とプレーイン・トーナメント出場圏内にどうにか滑り込んでいる状況なだけに、ヤングの離脱は大打撃となっている。

そんなヤングとホークスについて、現在はプエルトリコでプレーし、2010年代には4度のNBAオールスター選出を誇るデマーカス・カズンズが自身のポッドキャスト『BULLY BALL』の中で言及。カズンズは「ヤングにはもうホークスのユニフォームを着てほしくない」と言い、次のように語った。

「この前の試合(負傷離脱となったラプターズ戦)が、ホークスのユニフォームを着るヤングの最後の試合になることを願っている。彼の才能と全盛期が無駄使いされているように思う。ホークスはこの稀有な才能に対して何も施していない。僕も経験があるから、彼の置かれている状況には個人的な思いが重なる」

カズンズは2010年にドラフト5位でサクラメント・キングスに入団。その後6シーズンにわたりキングスの中心選手として活躍し、自身はオールスターやアメリカ代表に選出される華々しい経歴を誇ったものの、チームは1度もプレーオフ進出を果たすことができなかった。その後ニューオーリンズ・ペリカンズへ移籍するも、アキレス腱断裂の大ケガを負い長期離脱を余儀なくされ、復帰後は度重なるケガに悩まされながら数々のチームを渡り歩くこととなった。そんな自身の姿にヤングを重ね合わせ、ホークスから出ることを強く望むカズンズ。

まずはヤングの全快を祈念したカズンズだが、続けて「ヤングが再び100パーセントの状態でプレーする時は、アトランタよりも、サンアントニオ・スパーズのユニフォームを着ていてほしい」とコメント。ビクター・ウェンバンヤマとヤングが持ちうるシナジーに大きな期待を寄せた。

「バスケの神に毎晩祈っているよ。どうか、ヤングをサンアントニオに送ってやってくださいってね。この移籍は、バスケットボール界のために実現すべきと思ってる」

NBA屈指のガードが怪物新人ウェンバンヤマと同じチームで戦うこととなれば、リーグには間違いなく新たな脅威が生まれることとなる。カズンズが切望するこの組み合わせが実現するか、今シーズン終了後の動向に注目だ。

© 株式会社シーソーゲーム