帰宅時に「花粉を持ち込まないようにしている」人は4割弱 最も効果が実感できた住まいの花粉対策は?

自宅に「花粉を持ち込まないようにしている」人は4割弱 ※画像はイメージです(rrice/stock.adobe.com)

積水ハウス株式会社(大阪市北区)の研究機関「住生活研究所」は、全国の20~60代の男女500人を対象に「花粉に関する調査(2023年)」を実施しました。同調査によると、帰宅時に「花粉を持ち込まないようにしている」人は4割に満たないことが分かりました。なお、帰宅時の花粉対策は、「帰宅後すぐに目を洗う」「入浴・シャワーをする」などに回答が集まったそうです。

調査は2023年12月にインターネットで実施されました。

花粉症の症状が出る時期(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

まず、「花粉症の症状が出る時期」を複数回答で答えてもらったところ、特に「3月」(70.0%)と「4月」(72.0%)が多くなりました。ちなみに、秋の花粉症については、「9月」が23.8%、「10月」が24.8%と、春の3分の1ほどでした。

外出時の花粉症の対策状況(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

次に、「花粉症の対策状況」について聞いたところ、「外出時」は全体の69.8%が「対策をしている」と回答。具体的な対策を複数回答で答えてもらったところ、「マスクの着用」(92.6%)が圧倒的に多くなったほか、「花粉のひどい時期には外出を控える」(31.5%)といった回答もみられました。

家事・換気・空気環境における花粉症の対策状況(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

一方、家の中での「家事・換気・空気環境における花粉対策」については、全体の49.6%が「対策している」と回答。具体的な対策としては、「空気清浄機を使用する」(53.6%)、「洗濯物は室内干しをする」(43.1%)、「外干しした洗濯物をはたいてから取り込む」(28.6%)など洗濯関連の回答のほか、「掃除の頻度を増やす」(25.0%)、「いつもより念入りに掃除をする」(25.0%)といった掃除関連の回答も挙げられました。

帰宅時に自宅に花粉を持ち込まない対策について(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

他方で、「帰宅時に自宅に花粉を持ち込まない対策をしている」と答えた人は、37.0%に留まっていることが判明。花粉を持ち込まない対策としては、「帰宅後すぐに手洗いをする」(73.5%)、「帰宅時に衣類についた花粉をはたく」(71.4%)、「帰宅後すぐにうがいをする」(67.0%)といった手軽に行える対策が上位を占めました。

効果があったと思う対策(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

また、花粉対策をしている人に、「効果があったと思う対策」を複数回答で教えてもらったところ、外出時の花粉対策では「マスクの着用」(89.5%)、家事・換気・空気環境では、「花粉フィルター等のついた空調機器の活用」(86.1%)、帰宅時では、「帰宅後すぐに目を洗う」(81.7%)がそれぞれ最多となりました。

花粉症の予防のためにあったら良いと思う設備(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

続けて、「花粉症の予防のためにあったら良いと思う設備」を複数回答で答えてもらったところ、「花粉フィルター等の付いた換気装置」(27.0%)、「室内干しスペース」(17.0%)、「サンルーム」(14.2%)など、洗濯関連のものが多く挙がりました。

黄砂に困っている人の割合(引用元:積水ハウス 住生活研究所)
黄砂対策について(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

なお、花粉と同じく春の時期に飛来する黄砂については、全体の49.0%が「困っている」と回答。地域別では「近畿」(70.4%)と「九州」(66.7%)で多くなっています。

また、「黄砂で困ること」については、「車に黄砂がつく」(62.9%)、「目が痛くなる・かゆくなる」(51.8%)、「洗濯物に黄砂がつく」(50.6%)などが上位に並びました。

そこで、「黄砂対策として行っていること」を教えてもらったところ、「マスクの着用」(34.8%)、「洗濯物は室内干しをする」(22.8%)、「帰宅時に衣類についた黄砂をはたく」(16.8%)など、花粉対策と同様の項目が多く挙がった一方で、「対策はしていない」と答えた人が39.4%に上ることが分かりました。

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【出典】
▽積水ハウス 住生活研究所/外出時のマスク着用は約9割が効果を実感 住まいの花粉対策で効果が高いのは?
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20240216/

なお、同研究所は、花粉の時期の暮らしを快適にするための暮らしや空間について4つの「幸せTips」として以下のような提案をしています。

【お出かけの動線もスマートに】

お出かけの動線もスマートに(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

お出かけの際、マスクを忘れて家の中に取りに戻ったことはありませんか。玄関にマスクを収納すれば、うっかり忘れることもなくなりそうです。さらに、玄関に蓋つきの小さなごみ箱があれば、帰宅時にマスクについた花粉を室内に持ち込まず捨てることができます。帰宅時の手洗い・うがいがスムーズに行えるよう、玄関の近くに手洗いスペースを設けることもおすすめです。

【衣類の一時置き場所の確保】

衣類の一時置き場所の確保(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

毎回洗濯しないコートなどの衣類や小物は、帰宅後に花粉が付着したままになっています。これらはきれいな衣類と分けて保管し、花粉が移らないようにしたいものです。そのため、衣類の保管場所は複数用意できると良いでしょう。収納を設けるのにおすすめの場所は玄関です。花粉を室内に持ち込まずに済むよう、玄関にハンガーラックを置いたり、衣類用ブラシを置いたりなど、小さな工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

【花粉の季節の洗濯も楽に】

花粉の季節の洗濯も楽に(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

多くの人が花粉対策として行っている洗濯物の室内干し。もっと楽にするために、洗濯機の近くに干し場を確保してはいかがでしょうか。濡れた洗濯物は、洗濯前に比べて 1.4倍もの重さになるため、運ぶ動線が短くなることで家事負担軽減につながります。また、室内干し専用のスペースを設けられると、花粉の時期だけでなく、雨の日やおしゃれ着の室内干しにも活躍します。

【いつでも空気をきれいに保つ】

いつでも空気をきれいに保つ(引用元:積水ハウス 住生活研究所)

換気をしたくても、花粉や黄砂が室内に入る懸念から、ためらってしまうこともありますよね。そこで、室内に入る花粉や黄砂を軽減できる、フィルターつきの換気システムがおすすめです。熱交換換気システムなら、花粉や黄砂の軽減に加え、いつでもきれいな空気を保つことができます。さらに、室内の汚れた空気を外に出す際に、室内の暖かい空気を用いて外の冷たい空気を室温に近づけて取り込むことができるので、室内の温度を変化させずに快適に過ごせます。

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【出典】
▽積水ハウス 住生活研究所/外出時のマスク着用は約9割が効果を実感 住まいの花粉対策で効果が高いのは?
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20240216/

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