「新500円玉」が使えない自動販売機 7月の新紙幣誕生で対応進む...と思ったら盲点が

2021年に導入された新500円玉が、いまひとつ不便だ。偽造防止のため、3種類の金属を使った「バイカラー・クラッド」方式の最新技術を採用。半面、対応している両替機、券売機、自動販売機などが極端に少ない。

新紙幣が2024年7月に導入される。そのタイミングで、新500円玉への対応が進むのかもしれない。J-CASTニュースBizは、自販機のシステムに詳しい日本自動販売システム機械工業会を取材した。

対応自販機は全国でおよそ3割

新500円玉が自動販売機で使えない理由は、硬貨を識別する「コインメック」の更新費用が高額で、自販機オーナーが更新を嫌がる面があるようだ。しかし、新紙幣が導入されれば嫌でもシステムを更新せざるを得ない。

日本自動販売システム機械工業会の広報に聞いた。新500円玉について、「(自販機の)一部は対応するかもしれませんが、劇的に増えることはまずないと思います」との回答だ。

詳しく説明してもらった。紙幣識別装置の「ビルバリ」と硬貨識別装置の「コインメック」は、そもそも別の機械。このため、新紙幣対応で「ビルバリ」を更新するオーナーは増えるが、「コインメック」更新は必ずしも同時ではないのだという。

「コインメック」が新500円玉に対応にしている自販機は、全国でおよそ3割。日本自動販売システム機械工業会の2021年末時点の調査で、全国の自販機の台数は約270万台なので、81万台程度は対応していることになる。

コンビニが「救世主」?

取材を進めると、どうやら新500円玉の対応率が高いのはJRの駅券売機と、コンビニエンスストアのセミセルフレジのようだ。

セブン&アイ・ホールディングスの広報に話を聞いた。「セミセルフレジはすべて新500円玉に対応しております。また、レジでは交通系ICカードへのチャージも承っております」と答えた。

新500円玉は集めておいて、駅やコンビニで交通系ICカードにチャージするか、コンビニのセミセルフレジで使ってしまうのが、今のところは一番効率的なようだ。

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