有機フッ素化合物(PFAS)検出 汚染拡大の有無を調査 付近には米軍施設 在日米軍は「(PFASを含む)泡消火薬剤は2020年に処分し一切保有していない」 広島

瀬野川水系の地下水から、有機フッ素化合物が検出された問題で、東広島市は広島県と合同で28日、隣接する別の水系での水質調査を実施しました。

先週、東広島市などを流れる瀬野川の源流付近の地下水12地点から、有機フッ素化合物 PFOSとPFOAが、国の暫定指針値を超えて検出され、高いところでは、300倍となりました。

末川徹記者
「28日の調査では、瀬野川とは別の水系の『深堂川』で始まりました。ここから5キロほど離れた場所に東広島市中心部の西条があります」

今回の調査は、瀬野川水系を超えて、地下水の汚染が広がっていないかどうかを確認するため行われました。東広島市と広島県の職員が28日、黒瀬川水系の深堂川・上飯田川など、計6地点で水を採取しました。結果は、来週末までに判明する見通しです。

PFOSとPFOAについては、近年、有害性が指摘されており、国内でも現在では、製造や輸入が原則禁止されています。

これらの物質は、在日アメリカ軍施設の近くで検出が相次いでいて、東広島市の検出地点も川上弾薬庫に隣接しています。東広島市は、中国四国防衛局を通じて、在日アメリカ軍に川上弾薬庫に関する情報の公表などを求めていました。

そして27日、防衛局を通じて回答があり、PFOSなどを含む泡消火薬剤は、▽広島県内の施設においては、2020年に約8300㍑を処分し、一切保有していない。▽これまでに消火活動や訓練で使用したことがないなどとしています。

これに対し、東広島市は、川上弾薬庫での保有期間や水質検査の公表などを強く要請しました。また、汚染が判明した井戸の利用世帯に、飲料水を配るほか、上水道への接続も検討しています。

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