人気ドラマ「賢い医師生活」スピンオフ「いつかは賢い医師生活」放送延期の危機!? 韓国・医師集団ストの影響

日本でも大きな人気を集めたNetflixドラマ「賢い医師生活」のスピンオフドラマ「いつかは賢い専攻医生活」が、現在韓国で起こっている医療陣ストライキの影響で、放送開始時期に暗雲が漂っていると、最近韓国メディアのXsportsが報じた。

韓国では2月20日、いわゆる〝BIG5〟と呼ばれる病院の専攻医たちが集団で退職届を提出し、ストライキに突入。専攻医たちの病院離脱により医療の空白が日増しに大きくなる中、専攻医の空席を埋めていた4年目の研修医もまた、大量離脱の兆しを見せているという。

さらに〝最後の砦〟と思われていた教授の一部が動揺を見せ始め、医療陣集団ストライキは拡大化の様相を呈している。

この現実に起きている出来事が、ドラマ界へまさかの飛び火。24年上半期に放送を予定している「いつかは賢い医師生活」がまさにそれだ。

同作は、真心を持って医療に向き合う〝医師〟たちの生きざまを描いた「賢い医師生活」シリーズのスピンオフで、「賢い~」の監督シン・ウォノと作家のイ・ウジョンが、クリエーターとして参加。上級総合病院「鍾路ユルジェ病院」の教授と専攻医たちの、リアルな病院生活や友情、産婦人科研修医の生活が描かれるという。

出演には今韓国で、最も注目を集めている女優のコ・ユンジョンをはじめ、映画「THE WITCH/魔女―増殖―」で主演を務めた新鋭シン・シア、カン・ユソク、ハン・イェジ、チョン・ジュンウォンが名前を連ね、期待を集めていた。

しかし、医師ストライキが長期化の局面に入ったことで、一部のネットユーザーが「患者たちの命をかけてストライキするドラマ?」「もはや医療ドラマというより、ファンタジードラマだね」「これ以上、医師を美化する作品を見るのはイヤ」「ストライキはドラマに反映されるの?」などと、否定的な反応を見せている。

9日に初のティザー映像が公開され、5月放送予定と告知されているが、果たして延期されることなく放送されるのか、注視されているようだ。

韓国では6日、政府が医学部定員を2025年度入試から2000人増員することを決定し、専攻医がこれに反発。多くの病院で、医療陣が続々とストライキを決行した。専攻医団体である大韓専攻医協議会は、緊急代議員総会で「医学部増員計画全面白紙化」「業務開始命令の全面廃止」「専攻医修練環境改善」などを政府に要求している。

現地医療界によると、専攻医の10人中8人が辞表を提出、9006人の専攻医が勤務地を離れたと集計された。また、専攻医の集団辞職で稼働する非常診療体制が維持できる期間は、およそ「2~3週間程度」とされており、長期化する懸念の声が高まっている。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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