約1カ月に渡る沖縄キャンプを終えた中日ドラゴンズ。就任3年目、勝負をかける年となる立浪監督もこれまでにない手応えを感じています。
新メンバーが加わり、今年は過去2年間とは違って活気のあるキャンプになりました。大砲・中田翔選手らを補強し、期待感は高まるばかり。元監督の森繁和さんにキャンプの成果などを聞きました。
「今年の立浪監督のキャンプは違う」
――2月中旬に1週間ほど中日のキャンプをご覧になったそうですが、印象はいかがでしたか。
森繁和さん:
「2022年、2023年の立浪監督のキャンプとは少し違いますよ。中田が入ってきたので、お客さんやマスコミの数が違いました。私が監督をしていた当時、松坂選手が入ってきたときのような雰囲気です」
――雰囲気が変わることで、選手たちに影響はありますか?
「お客さんが応援してくれると、励みになりますよね」
――そんな中田選手の練習を見て、どのように感じましたか。
「別の球団から加入したら、どっしりと構えた様子を見せながらも、そわそわするものです。しかしそんな様子を微塵も感じさせず、今までドラゴンズにいたかのようなフリーバッティングをしていました。自分のやるべきことをきちんとやる。とはいえ目一杯振るのではなく、センターから右に打つこともしていました」
仲間にいじりいじられ、チームに溶け込む中田選手
――中田選手はチームのほかの選手と、どのように溶け込んでいましたか。
森さん:
「思った以上にいじったりいじられたり。先輩・後輩はありますが、良い雰囲気でした」
――中田選手の器、懐の大きさが良い雰囲気をつくり出しているのでしょうか。
「日本ハムにいたり、巨人にいたりしましたし、高校時代の知り合いも結構います。名古屋に来る機会があったので、溶け込むのは早いと思います」
高橋投手には「右のエース」と言われるくらいになってもらいたい
森さんは中田選手以外に、エースピッチャーである高橋宏斗投手にも注目しています。
森さん:
「2023年のWBCで活躍していましたね。宏斗は今後、右と左なら『右のエース』と言われるくらいの選手になってもらわないと困ります。今後も注目したいピッチャーです」
高橋投手はキャンプの初日、左足をほとんど上げない投球フォームで練習。しかし途中から、左足をある程度上げて投げるフォームに変わりました。
――高橋投手の投球フォームについて、どのように見ていますか。
「左足を上げたときに右足に体重を乗せて、上半身と下半身をバランス使って投げることができ、力のあるボールが投げられるかどうか。その観点からいくと、今の高橋投手には足を上げた方が良いと思います」
「2023年・2024年はクイックモーションで投げていました。山本由伸選手のようにきちんとストレートが投げることができれば良いと思います。しかし高橋投手の場合はシュート回転で抜けることがあったので、急にフォームを戻したのだと思います。
立浪監督は高橋投手に任せていたと思いますが、2024年はコーチ陣と話をして急きょ新しくするよりも2023年のフォームに戻す判断をしました。次の登板が楽しみですね」
――次回の登板ではどのように足が動いていて、足を上げていれば、どのようにモノにしていくのか注目ですね。
森さんによる2024年の順位予想
――かなり気が早いですが、2024年のセ・リーグの順位予想をしてもらいました。ドラゴンズは2位なのですね。
森さん:
「1位と言いたいところですが、2023年に日本一になっている阪神タイガースの戦力は、去年とほとんど変わっていないんです。中日・巨人は、プラスになっている戦力が多いので、ここの争いです。下位のチームは抜けた選手がいるので、挽回できるかというと……。
DeNAは少し厳しいですね。今永選手やバウアー選手が抜けたので、ちょっとキツいと思います。本来であれば中日、巨人、広島あたりの争いかと思いますが、“中日OB”としては今のところ2位予想ですね!」
――もし東京で放送していたら、3位になっているのかもしれないんですね……。
森さん:
「3位になっているかもしれませんね(笑)でも、本当に2位になって、優勝争いができるくらいのチームの戦力だと思います。高橋選手と中田選手の活躍次第です!」
――2人がキーマンになっていくのですね。
今シーズンの中日ドラゴンズ、立浪監督がどのような闘いを見せてくれるのか注目です。
※高橋宏斗投手の「高」は正式には「はしごだか」
(2月28日放送 テレビ愛知「5時スタ」より)