「エソール広島」賃料非開示に疑問の声

広島県が出資する「エソール広島」のフロア賃料を巡り疑問の声があがっています。賃料は年間4800万で、「高額なのでは」との声があがっていましたが、県はこれまで公開していた賃料を2024年度から非公開にすることを決めました。2月28日の県議会でエソール広島の賃料問題が取りあげられました。

■広島県議会 蔵本健議員

「年間の賃料が約5000万、(契約期間の10年間で)総合計すると5億円です。これ、ビルが建ってしまう。来年の賃料の総支払額、こちらはいくらになるのか」

■広島県 わたしらしい生き方応援課 佐伯美香課長

「賃料については、貸主である広島マツダと協議した結果、事業活動に関する情報であり非開示としている」

県は広島市中区の商業施設「おりづるタワー」の10階のスペースを年間約4800万円で借り、「エソール広島」に無償で提供しています。県は2023年度までは賃料を開示していましたが、2024年度の予算からはビルを所有する「広島マツダ」の意向を理由に非公開としました。エソール広島が開館したのは1989年。広島市中区富士見町の県有地に建てられました。県などが出資する公益財団法人「男女共同参画財団」が管理運営を行い、女性の自立と社会参画を促進する活動を行ってきました。県は2018年、富士見町へのホテルの誘致計画に伴い建物と敷地を売却し、現在のおりづるタワーへと移転しました。契約は5年で、賃料は年間約4800万円。県議会では、高額な賃料に疑問の声があがっていました。

■広島県議会 畑石顕司議員

「占有スペースの見直しおよび合理化を行い、家賃のかからない物件等への移転を検討すべきと 考えるが、知事のご所見を伺う」

■広島県 環境県民局 新宅郁子 局長

「さまざまな団体等に研修室を活用していただくことで、交流・連携や自主的な活動につながる事例も生まれてきている」

「エソール」の活動内容は。

■広島県男女共同参画財団 大畑史也事務局長

「ジェンダーに関することの研修であったり啓発、電話相談、面接相談を日々やっている。

こちらの方にはジェンダーに関する本であるとかLGBTに関する本、特徴のあるものを集めて貸し出しをしている。部屋的は研修室1・2とそれぞれ最大45人・45人でパーテーション取ると90人入れるスペースがある。各団体や個人に対して研修室の無料貸し出しというのをやっている」

「おりづるタワー」に入る理由について、県はアクセスの良さを強調します。

■広島県 わたしらしい生き方応援課 佐伯美香課長

「県内全域から広島駅ももちろんだがバスセンターに近いというところが、北部の方から特に来やすいという意見が女性団体などからあったので利便性というのは一番大きなここにある意義だと考えている」

県によると、昨年度の利用は約2万5000人。しかし目標とする3万人には届いていません。当初の契約では、2023年3月までが期限で、その後は1年更新としていましたが、県は2023年4月から5年間延長する契約を新たに結びました。県は2024年度について事業費の総額は示したものの賃料の内訳を非公開としました。これに対し県議からは疑問の声があがりました。

■広島県議会 蔵本健議員

「県が直接契約している賃貸借契約です。その税金の使い道について、少なくとも誰にいくら支払うか、 明らかにすべきではないか」

■広島県 環境県民局 新宅郁子 局長

「総事業費や事業内容を公表しているし、誰に支払っているかという 点についても説明をしているので、そちらで説明は行っていると理解している」

事業活動の重要性が高まる一方で、問われる透明性の確保。

県は今後について「女性団体などと意見交換しなが ら継続して考えていく」としています。

【2024年2月28日 放送】

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