インドネシア・ミレニアルの肖像  Fransiska Dimitri (23)  大学生、登山家

「実は木の近くに落ちる」という、ことわざがあります。私は自分がそれだと思うのです。私の父は登山クラブに属し、1980年代にモンブランなどに登っていました。父は私のインスピレーターです。

兄は父の跡をたどって山に登っていましたし、私も山に登りたくてたまりませんでした。高校は自然愛好部のある所を選び、大学は世界的にも有名な自然愛好部がある、バンドンのパラヒヤンガン大学に進みました。ちょうど私が入学した2011年に、男性のグループで「7大陸最高峰登頂」に成功しており、そのニュースを聞いた時、「私にもできるだろうか?」という思いに火が付きました。

2014年6月に「7大陸最高峰登頂への女性の挑戦者」の募集が行われ、応募した12人の中から4人が選ばれました。その中に私も入ることができました。選ばれた時には、思わず泣いてしまいました。感動したとか、もちろん悲しかったわけではなく、怖かったんです。「本当に、私にできるだろうか?」って。

その2カ月後、7大陸最高峰の最初の挑戦先として、パプアのカルステンツピラミッドに登りました。そこで感じた幸福感は、インドネシアのほかのどんな山を登った時とも違うものでした。インドネシアで最も高い山の頂に立って、インドネシアの国旗と自然愛好部の旗を掲げ、西ジャワの象徴としていつも持ち歩いているアンクルンを鳴らしました。その時に、私の幸せは、山の上にあるんだ、と気付いたんです。

フランシスカ・ディミトリ
1993年、ジャカルタ生まれ。通称ディディ。バンドンのパラヒヤンガン大学の学生。国際関係専攻。同大の自然愛好部(Mahitala)に所属し、インドネシア人女性としては初めての「7大陸最高峰登頂」に挑戦中。すでにカスルテンツピラミッド、エルブルース、キリマンジャロ、アコンカグア、ヴィンソン・マッシフに登頂し、2017年6月までに残り2峰を登頂予定。

腕時計「Timex Expedition」
20歳の誕生日のお祝いに、両親からプレゼントされたもの。7大陸最高峰の登頂でも、これを使っている。防水加工で、ランプがつくのが山では便利。70万ルピアぐらい。

JanSportライト・パック
愛用のザック。31リットル入りで、大きさは46x33x21センチ。大学の授業でも、自然愛好部のトレーニングでも、これを使う。前に大きなポケットがあり、中にはラップトップも入れられる。

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