peco、のんびり屋だけれど優しいryuchell似の一人息子は5歳に。「自分を好きな子に育つこと」が私の願い

ryuchellさんの七五三と同じ沖縄の写真館で、七五三のお祝い写真を撮ったそう。(pecoさんのInstagramより)

2018年に息子さんを出産したころ、約2年間、雑誌『ひよこクラブ』でryuchellさんとともに育児に関する連載で、さまざまな気持ちを語ってくれたpecoさん。現在は、アパレルブランド「Tostalgic Clothing(トスタルジック クロージング)」のデザイナー&プロデューサー、タレントとして活躍中です。現在5歳になった息子さんはインターナショナルスクールに進学。pecoさんと息子さんの生活や子育てについてなど、たっぷり聞きました。全2回のインタビューの2回目です。

peco、「いっぱい泣いたあとは、悲しみを乗り越えるために前を向く」“新しい家族のかたち”のこれから

「ま、いっか」「それくらい大丈夫!」というのが息子の口ぐせ

ハロウィンの仮装は息子さんがパイレーツ。アリソンちゃんは???(pecoさんのInstagramより)

――5歳の息子さんはどんな性格のお子さんですか?

pecoさん(以下敬称略) 息子は3歳くらいまではシャイだったのに、この1、2年で、とてもフレンドリーになったんです。
公園でも知らないお友だちに自分から声をかけて遊んだり、東京ディズニーランドでアトラクションに並んでいるときも、後ろにいた知らないお友だちに質問したりしています。

でも、ふざけて人を笑わせるのが好きなところはずっと変わらないですね。あと、めちゃくちゃポジティブ! 「ま、いっか」「それくらい大丈夫!」というのが口ぐせで、切り替えがとても早いんです。インターナショナルスクールの先生がほめてくれるほどです。

――最近息子さんの成長を感じたことなどはありますか?

peco この前通知表に、“お友だちのけんかに仲裁に入って仲直りさせてくれました”と書かれていました。うれしかったことの一つです。本人にそのことを聞いてみたら、「え、そんなことしてないよ〜」なんて言っていましたけど…。そういうことを無意識にやれてるっていうのがすごくすてきだなって思いました。

この前一緒にお買い物へ行ったとき、エコバッグいっぱいの食材のほかに、ティッシュやペーパータオルも買ったので私の両手がふさがっちゃって。「ティッシュかペーパータオル、どっちか持ってくれる?」とお願いしたら「いいよ、どっちも持つよ」って言ってくれたんです。そんなカッコよくてやさしい一面を見せてくれるようになったのも本当にうれしいです!親バカなんですけど(笑)

――1年半前ごろに家族として保護犬施設からやってきた愛犬を迎え入れています。

peco アリソンって名づけた女の子です。息子とアリソンは、まるできょうだいのようないい関係です。
アリソンは、私のことを本当に大好きでいてくれて、息子と私がぎゅーっとしてると割り込んでくるし、私とアリソンがくっついているところに息子が近寄ってくると怒ったりすることも。私の取り合い?ですね(笑)

――アリソンちゃんの存在は息子さんにもいい影響を与えていますか?

peco ある日、息子が保護犬のテレビ番組を見ていたときのこと。保護犬の施設にいたワンちゃんの受け入れ先が決まって施設を出ることになり、そのコが一番仲よしだったワンちゃんと離れ離れになってしまう、という場面で息子が泣いてしまって。そうしたら、アリソンが心配そうに息子に近寄ってきて、大丈夫?とばかりに涙をなめてあげていたこともありました。

息子は、とくにワンちゃんがからむ話には感情移入してしまうようです。息子が「保護施設ってなに?」と質問してくれたので説明したら、「ワンちゃんをポイってした人、僕が食べちゃうんだから!」と大泣き。アリソンが同じ境遇だったことも話しているので、そのことを理解していることもあり、妹のように感じているのかもしれません。

自分を好きな、責任感がある大人になってほしい

息子さんと一緒にアリソンのお散歩に。(pecoさんのInstagramより)

――過去の『ひよこクラブ』の連載でも、「息子には、自分を好きな人になってほしい」とよく話していましたが、心がけていることはあるのでしょうか?

peco 「○○(名前)、ダメでしょ」などと、しかるときに名前をつけないようにしています。息子そのものをしかったのではなく、息子の行動を注意したということを意識して、「~~してはいけない」ということをわかるようにしています。これは小さいときから変わりません。
また、注意をしたときには、そのあと理由を説明してしっかり抱きしめることにしています。この前、このしかるときのマイルールを破ってしまったことがあって…。
息子はとてものんびり屋さんなので、ついガミガミ怒ってしまいます。「あなたののんびり屋さんなところはとっても好きだけど、約束の時間が決まってるときは、そこに間に合うようにしないとね」と伝えたあと、いつもだったら必ず笑顔でハグをしてから送り出すようにしているのですが、この前は怒ったまま、いってらっしゃいをしてしまい・・・。
息子が帰宅したときは笑顔で迎えようと決め、『朝はごめんね』とあやまり、受け入れてもらえました。

――そのほかにも気をつけていることはありますか?

peco 何かで一番になったりしたら、一番はすごいことだけど、自分が頑張ったっていうことも大切だよ、と伝えるようにしています。結果じゃなくてその過程が大切だと伝えたいんです。私はそれが自己肯定感につながって、さまざまなことに興味を持てたり、大事な局面での決断もできるようになると思っています。「自分を好きな子」になってほしいので・・・。

またこの数カ月では、「責任感がある大人になってほしい」ということも考えるようになりました。

息子が誕生したときにも感じましたが、一つの命が生まれてくることの重さが身にしみていて・・・。息子が成長して大きな決断をするときや家族をもつとき、自分の過去にしてきたことを含め、きちんと責任を取れる子になってほしいと考えています。

「お相撲習いたい!」というた息子のために、ネット検索して見学を

息子さんとの週末のひととき。(pecoさんのInstagramより)

――現在の1日のスケジュールはどんな感じなのでしょう?

peco 私は、朝6時に起きて朝ごはんの準備を始め、6時30分になったら息子を起こします。お弁当の準備をしている間に息子は朝食を食べ、準備ができたら8時過ぎに登校。15時30分くらいにお迎えに行き、習い事へ行ったりお友だちと遊んだりして帰宅。なにも予定がない日は16時30分くらいにおふろに入り、17時30分に夕ごはんを食べ、19時にはお布団に入ります。

――習い事はどんなことをしていますか?

peco アートバレエは約3年間続けています。でも数日前に突然、「ママ、バレエ辞めたい」と伝えてくれました。「いつも楽しいって言ってたのに、どうしたの?」と聞いたら「なんでかはわからないんだけど…」と息子も理由があいまいで説明できませんでした。
「ママもバレエ続けている途中でやりたくないなって思ったこともあったけど、そのあとまた楽しくなってきたの。せっかく頑張ってきたのに、ただ辞めたいっていうのはもったいないから、もう少し頑張ってみて、辞めたい理由がわかってから決めてみたら?」と伝えてみました。そうしたら息子もその考えに納得したのか、同意してくれて、バレエは現在も続けています。

――ほかに何か興味があることはあるのでしょうか?

peco テレビでサッカーや野球を見てもなにも言わなかったのに、お相撲を見ていたとき、突然「お相撲やりたい!」言ってくれたことがありました。私にとって、お相撲は未知すぎたのですが、自分の気持ちから「やりたい」と言ってくれたことがうれしくて、すぐネットでいろいろ調べて体験できるところを見つけて見学へ行きました。
結局、「痛そうだから」と断念しましたが、次は空手や水泳に興味を持ち始めたり。やりたいことがどんどん増えて、それを伝えてきてくれます。息子がしたいと思ったこと、興味を持ったことは、どんなことでもトライさせてあげたいと思っています。

――インターに通う息子さんは、英語を使うことが多いのでしょうか?

peco 話す相手によって英語と日本語を使い分けています。インターでは英語が多いのかもしれません。インターではヒップホップクラブに所属していたり。お友だちとゴースト鬼ごっこなるユニークな遊びを楽しんだりしていると話してくれます。

息子は私のファッションの仕事や好みについて理解してくれている

「冬が好きな80年代のママがテーマ」のpecoさんファッションと息子さん。(pecoさんのInstagramより)

――2023年6月から、pecoさんがデザイナー&プロデューサーを務めるアパレルブランドがスタートしました。

peco 息子を送り出してから帰宅するまでが私の仕事時間ですが、デザインなどが終わらないと息子が寝てから再開することも。息子は、私のファッションの好みや仕事について理解してくれていて、私が上京した理由を『東京で服の仕事をしたかったからだよ』と話したら、『できてるね、いいじゃん!』と言ってくれました。
よく仕事と育児の両立、大変ですねと言っていただきますが、私よりめちゃくちゃ忙しく働いているママは世界中にたくさんいらっしゃるので、私なんては大変とは言えません!

“これが好き”というものが、なにか一つでもあるといいな

pecoさんと息子さんが結婚式に参列したとき様子。(pecoさんのInstagramより)

――これからもずっと続く、息子さんとの日々。どんなふうに寄り添っていきたいですか?

peco 息子の人生なので、今までどおり、進みたい道をただただサポートしていきたいです。こんな職業についてほしいな、とかもありません。ryuchellと私から生まれてきてくれた子だけど、たとえばプロ棋士になりたいと言うなら全力で応援したいし、好きなことを仕事にしてもいいし、好きと仕事を分けてもいいと思っています。ただ、生きるうえで“これが好き”というものが、なにか一つでもあるといいなとは思います。それがあると心のよりどころになるし、うまくいかないことがあっても、これがあるってお守りのようになってくれると思うんです。

――pecoさんの“好き”はファッションでしょうか?

peco そうですね。息子も私のファッション好きはわかってくれていると思います。そしてどんなテイストのファッションが好きなのかも知っています。町を歩いているときなどに「あれ、ママが好きな○○じゃない?」と教えてくれたりするんです。
息子もおしゃれ好きに成長していると思います。私はファッションにはTPOも大切だと思うんですけど、息子も、東京ディズニーランドに行くときはミッキー柄を選んだり、『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』を観に行く日は、大好きなキャラクターのケントと同じようなスタイルで決めたり。通学用の服も自分でコーディネートしています。
これが着たい!という意志がはっきりしているんです。「こうしたい!」という気持ちがあるのがうれしくて、尊重しています。

――息子さんとは何でも話せる関係のようです。

peco 息子が自分の思いを私に伝えてくれることが、とてもありがたいと思っています。伝えられるようになったことに成長を感じて、それもとてもうれしくもあります。
「ハンバーグが食べたいって言ってくれたから頑張って作ってみたけど、おいしかったらうれしいな」と話したりします。
“あなたが私に自分の思いを伝えてくれることが、私にとってとってもハッピーなんだよ”ということがわかってもらえるように日々の会話の中から心がけています。そして、息子にも、当たり前に感謝できる人になってもらいたいです。

お話・写真提供/pecoさん 取材・文/三宅桃子、たまひよONLINE編集部

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pecoさんの「息子が○○してくれる(くれた)ので」という言い回しが印象的でした。息子さんがだだをこねたときでさえ「わがままを言ってくれた」と話します。
愛情を一身に受け、好奇心旺盛に成長している息子さんとの日々は、一つ一つ幸せを積み重ねていっていることでしょう。

peco(ぺこ) Profile

PROFILE
1995年6月30日、大阪府生まれ。上京後、原宿系ファッションのカリスマ読者として絶大な人気を集め、タレント・ryuchellさんと多くの雑誌やバラエティ番組でカップル出演し、脚光を浴びる。2016年にryuchellさんと結婚、2018年に第1子を出産。2022年、ryuchellさんからのカミングアウトを受け、話し合いを重ねに重ねた結果、夫婦関係を解消。“新しい家族のかたち”として、それまでと変わらず3人での生活を継続。2023年、アパレルブランド「Tostalgic Clothing(トスタルジック クロージング)」デザイナー&プロデューサーに就任し、タレントとしても活躍中。2024年2月に初めてのエッセイ『My Life』を発売。ファッションやライフスタイル、育児などを投稿しているインスタグラム(pecotecooo)やYouTube(Peco channel)も大人気。

●記事の内容は2024年2月20日の情報で、現在と異なる場合があります。

『My Life』

大好きなファッションや家族、子育てについて、そしてryuchellさんとの出会いから結婚、婚姻関係解消までの軌跡、気持ち、葛藤、そして新しい家族のかたちについてリアルな言葉でつづったエッセイ。2022年から製作をスタートさせ、出版に向けて準備が進んでいたときにryuchellさんが急逝。出版するか否かを悩んだ末、ryuchellさんが家族と向き合ってくれた証、息子を愛しているという証として出版を決意。pecoさんの、強く、しなやかで、豊かな人間力が感じられる1冊。peco著/1650円(祥伝社)

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