「原爆の日」に広島市職員に暴行か 中核派の活動家5人を逮捕 前進社の全拠点など全国8都府県14か所で家宅捜索 実行委員会は「不当な弾圧」と主張【動画ニュース】

去年の「原爆の日」に広島市職員に集団で暴行を加えたとして、警察は中核派の活動家5人を逮捕しました。「原爆の日」の式典前後にはさまざまな団体がデモを行い、騒音などが課題となっていました。

去年8月6日の「原爆の日」に開かれた平和記念式典。これに合わせ「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が主催するデモ行進が行われました。

事件はこの直前に起きました。

警察によりますと午前5時50分ごろ、中核派の活動家5人が平和公園の原爆ドーム北側で式典の対応に当たっていた広島市職員に対し、集団で体当たりし、転倒させるなどの暴行を加えたとみられています。当時、現場には中核派だけでなく保守系の団体も含めて少なくとも百数十人が集まり、混乱した状態でした。

暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されたのは、大阪府に住む男3人と東京都に住む東京都の男2人です。

警察は「捜査に差し支える」として5人の認否を明らかにしていません。

隈元大樹 記者
「午前7時29分です。捜査員が前進社中国支社の中に捜索に入っていきます」

この事件で警察は広島市南区にある中核派の拠点=前進社中国支社を家宅捜索しました。住宅やマンションが建ち並ぶ周辺は、ものものしい雰囲気に包まれました。

捜索は東京、大阪、沖縄など前進社の7つの拠点のほか、京都の京都大学・熊野寮など全国8都府県のあわせて14か所で行われました。

犬飼さき記者
「広島市中区です。現在、団体の事務所内で家宅捜索が行われています」

事件の発端となったデモを主催した「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の事務所でも捜索が行われました。

実行委員会は「今回の逮捕と家宅捜索は不当な弾圧だ」と主張しています。

一方、広島市は平和記念式典でのデモの騒音について、2019年から市民を対象としたアンケートを実施。市議会はきのう、「厳粛な中で式典を行うための実効性ある対応」を求める市民団体の請願を賛成多数で採択しています。

広島市は今回の事件について「今後の警察の捜査の進展を注視していくとともに、ことしの平和記念式典については県警などと連携し、再発防止策を検討してまいります」とコメントしています。

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