「島内颯太郎は今までと顔つきも違う」佐々岡真司さんが見た広島カープキャンプ “戦力の幅” に着目「新井監督も悩む」1軍布陣 勝負は3月

広島カープの春季キャンプは、2月27日に打ち上げ―。その収穫についてRCC野球解説者・佐々岡真司 さんに聞きました。

実績組の先発チームはオーバーペースではなく、あくまでも開幕に合わせ、個々の課題と向き合いました。

そんな中、2月16日、新井貴浩 監督は、開幕投手に 九里亜蓮 を指名。その決断を 佐々岡真司 さんはこう分析します。

RCC野球解説者 佐々岡真司 さん
「開幕投手に決まった九里は、キャンプ初日からブルペンに入って本当にもうアピールというか、『ことしこそ、開幕(投手)を自分がやるんだ』という気持ちを持ってキャンプに入ったと思いますし。そのアピールもですし、またフォームをいろいろ変えながら調子もよくて、監督の目にとまったと思いますし、鼻息荒くして、監督の一言『開幕任せたぞ』というのを聞いたと思います」

また、栗林良吏・矢崎拓也 の必勝パターンは健在ですが、そこにつなぐ 島内颯太郎 のさらなる進化もキャンプで光りました。

佐々岡真司 さん
「去年のタイトルを獲った島内は、自信を持ってブルペンで投げていましたし、もう顔つきも今までと違います。もともと、すばらしいまっすぐを投げていた中で、試合であれだけ勝ち試合に任せられるようになって自信もついて、それが態度にも…。すばらしいブルペン投球をきょうは見させてもらいました」

投手陣の層が厚くなっただけに、即戦力が期待されるドラフト1位・常廣羽也斗 についても急ピッチを求めることはありません。

佐々岡真司 さん
「常廣投手が沖縄に来て少しペースを落としたというか、日南で1回、ブルペンを見たときは、これはすごいなとびっくりするような球を投げていたんですけど、そこから1回入っただけで、沖縄ではちょっと調整がうまくいってないというか、あんまり無理させてないというのが現状だと思うんです。だから、そこまで監督も開幕に合わせていなくて、しっかり体を作った中で下半身・上半身、非常にバランスよく…、ちゃんとトレーナーが見ていると思うんですよね…、それがしっかりした中でペースが上がってくると思うので。キャンプが終わって、おそらくすぐには投げられるっていう状態じゃないと思うので、またファームに行って、しっかりと調整して上がってくるとは思いますけどね」

坂上俊次 アナウンサー
佐々岡真司さんが強調していたのが、島内投手が1年間やりきって自信をつけたっていうことです。島内投手は基本的にはストレートとチェンジアップの2球種というピッチャーなんですが、本人はもちろん、球種を増やす “新球” の話もされますが、ストレートはストレートでも高めとか低めとか使い方・バリエーションで「島内、もう1つあるぞ」っていうところを広めたいと。

青山高治 キャスター
確かに島内投手、表情がちょっと違う感じがします。

坂上俊次 アナウンサー
そうなんですよ。本人もふだん、柔らかい語り口なんですけど、「2つの球種でも精度を高めることによって “心中” する覚悟の度合いが変わってくる」―。こういう言葉を使ったりするんです。それほど磨き上げたオフ、そしてキャンプだったと思います。

そして、野手についても佐々岡真司さんに聞いています。

例年以上に若い力に視線を注いだ、ことしのキャンプ。佐々岡さんは、“同じポジションで同じ名前” の競争に注目しました。

佐々岡真司 さん
「 中村貴浩 、中村健人 、中村奨成 と “中村・中村・中村” ですけど、若い選手が1つのポジションというよりも…、秋山翔吾・野間峻祥 が今、2軍で調整していますけど危機感を持つぐらい、若い選手が結果を残しているんじゃないかなと思います」

「打線がかみあえば優勝も狙える」と佐々岡さん。ベテランの安定した活躍は期待できるだけに、戦力の幅に期待を寄せます。

佐々岡真司 さん
「矢野雅哉は、守備力というのは当然ある中で打力に課題を持っていますけど、ことしの新井監督いわく、『主力を休ませながら1年間戦う。けがなく戦うためにも休ませる』っていうところで、やっぱり 菊池涼介 も休ませないといけない。そのときのセカンドは誰なのかとか、若い選手が出てこないといけないと思うんです」

「林晃汰、そして矢野、韮澤雄也 とか 二俣翔一 も本当にいいアピールをしていると思うので、その選手の中で1人・2人出てきてほしいなと思います」

「サード・ファーストというところに(新外国人選手)2人が入ってきてくれれば。特にサードっていうところが何年もずっと外国人、誰か入ってくれないかなって思っていたところに、2人のうちどっちか入ってくれればなとは思いますけどね」

ベテラン組のコンディションも大事にしながら、若手の台頭も促し、十分な成果を上げたキャンプ。しかし、佐々岡さんは監督の経験からこの3月の重要性を強調します。

佐々岡真司 さん
「この2月まですごく選手がいる。ピッチャーも誰を落とせばいいかなとか、野手、誰を落とさないといけないかなとすごく悩んでいる中で、3月に入ると誰もいなくなったとか、そういうことがよくあった。選手が足りなくなってきたっていうのがありますので、やっぱり、けがっていうのは一番避けてほしいですし。監督も悩んでいましたけど、誰を落とさないといけないとかね、入れ替えっていうところが、今の段階ではみんな、よくがんばっているので本当に悩むっていうことを言っていたので、そのぐらい悩むということは本当に選手層も厚くなったと思っています」

坂上俊次 アナウンサー
われわれ、「2月が勝負」って言ってきましたけど、勝負は3月だということで、たいへんな業界ですね、これは。

青山高治 キャスター
あと、佐々岡さんに言われると、“外野、全部中村” っていうのを1回、見てみたいです。レフト・中村、センター・中村、ライト・中村…

坂上俊次 アナウンサー
実況がややこしい…

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