雪で折れた枝直撃か 青森県重宝「対泉院山門」の屋根破損 八戸市

松の木の枝が当たり、屋根の一部が破損した県重宝の「対泉院山門」=28日午前

 青森県八戸市新井田の県重宝「対泉院山門」の木造屋根の一部が、雪の重みで折れたとみられる松の枝が当たって破損していたことが28日までに、同寺院などへの取材で分かった。今後、県教育委員会などと協議しながら修復を進めるという。

 上田祥悦住職によると、27日午前8時前、大きな松の枝が幅約5メートルの道路を横切るようにふさぎ、山門の屋根の木材の破片が落下しているのを住職の家族が発見した。同寺院の向かいには認定こども園があるが、人的被害はなかった。山門の両脇にある県史跡「餓死萬霊等(がしばんれいとう)供養塔」と「戒壇石」は無事だった。

 折れた枝の太さは最大で直径約35センチ。松の木は寺院の敷地内にあり、以前から木全体が棟高約11メートルの山門に倒れかかるように斜めに伸びて危険だったため、3月上旬に伐採する予定だったという。上田住職は「枝が折れるとは予想外のことでびっくりしたが、けが人がいなくて良かった。重い雪に耐えられなかったのだろう」と話した。

 山門は1811(文化8)年に完成したと伝えられ、江戸時代後期の建築技術を知ることができる貴重な建造物として2017年に県重宝に指定された。

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