群馬・前橋市の幼稚園にセアカゴケグモ けが人なし

赤い模様が特徴のセアカゴケグモの雌(群馬県提供)

 特定外来生物のセアカゴケグモについて、群馬県は28日、こまがた幼稚園(群馬県前橋市駒形町)の園庭で雌1匹が見つかったと発表した。県内での確認は昨年9月の桐生市以来12例目で、幼稚園では初めて。園児にけがはなく、クモは既に駆除されている。

 県などによると、26日午後3時ごろ、園庭で遊んでいた年長児が木製ベンチにいたクモを発見。園長が県に連絡し、専門家の調査でセアカゴケグモの雌と判明した。県と市の職員が発見場所の周辺を調べたが、他の個体は見つからなかった。侵入経路は不明という。

 同園はセアカゴケグモやヒアリなど、触ってはいけない虫の写真を玄関に掲示し、注意を呼びかけている。根岸保園長は「園児にけががなくてよかった。日頃から注意喚起していたおかげ」と話した。

 セアカゴケグモの雌は体長1センチ程度で黒く、腹部背面に赤い帯状の模様がある。雌には毒があり、かまれると痛みや発熱などの症状が出ることがある。オーストラリア原産で海外からの貨物に付着して国内に侵入してきたとされ、県内では2005年8月に高崎市内で初めて確認された。

 駆除する場合は市販の殺虫剤のほか、熱湯をかけたり、靴で踏みつぶしたりする方法も有効という。県自然環境課は「背中が赤いクモを見つけたら素手で触らず、県や市町村に連絡してほしい」と呼びかけている。

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