対応 全般に厳しさ 県トラック協 メディアと懇談 2024年問題【岩手】

「2024年問題」に関する課題などについて報告された県トラック協会のメディア懇談会

 県トラック協会は27日、メディア懇談会を盛岡市内のホテルで開いた。時間外労働の規制強化を目前に控え、トラック運転手の不足が懸念される物流業界の「2024年問題」への対応など、業界を取り巻く現状や課題について報告した。

 運搬する荷物の増加やトラック運転手の不足などにより、物流業界では長時間労働が問題となっている。働き方改革を受け4月からトラック運転手などの残業時間の上限規制が強化されるが、現状のままでは収入減などによりドライバーの確保は一層難しくなることが予想され、運搬できる荷物の減少など影響が懸念されている。

 懇談会には同協会役員やマスコミ関係者ら約50人が参加。同協会の藤原修一副会長が2024年問題に関わる業界の現状や課題などを報告した。

 報告によると、燃料費高騰や人手不足などを背景に倒産する道路貨物運送業者が増えており、荷主との運賃の値上げ交渉がうまくいかないケースも少なくないことから、業界の経営環境は全般に厳しさが増している。長時間労働の一因となっている荷物の積み降ろし作業や待機時間といったドライバーの付帯業務についても、従来の商習慣から無償で行われているケースが多く大きな課題となっているという。

 同協会の髙橋嘉信会長は「このまま何も対策をしなければ2030年には3分の1の荷物が届かなくなる恐れがある。運賃の値上げはもちろん、荷主や行政などとコンタクトを取り、荷主に代わって無償で行っているケースの多い運転以外の付帯業務について対価を頂く仕組みをつくり、人手不足を何とか乗り越えたい」と強調した。

© 岩手日日新聞社