“2012年4月25日”。当時レアル・マドリードを率いていたジョゼ・モウリーニョ氏は監督キャリアで唯一試合後に涙を流した夜を回顧している。スペイン『Mundo Deportivo』が伝えている。
監督会見で自らを「スペシャルワン」と称し、その名に恥じぬ監督キャリアを築き上げたモウリーニョ氏は、2011ー12シーズンCL準決勝2ndレグ、バイエルン・ミュンヘン戦について以下のように振り返っている。
「試合後、最初にして唯一涙を流した。もちろん、ピッチ上でもロッカールームでもなく、家路につく車内でだ。私は酷く落ち込んでいた。すると、ジョルジュ・メンデスから頼み事があるとの電話受けた。『クリスティアーノ・ロナウドの家に向かって欲しい。彼は悲しみに押し潰されそうになっている』」
「私は彼に言った『私も同じ精神状態だ』と。しかし、涙を拭き準備をしてクリスティアーノの家に向かった。私を含め皆、精神的に崩壊寸前だった」
1stレグをアウェイで1ー2で落とすも、2ndレグの90分でスコアを対に戻したレアル・マドリード。しかし、惜しくもPK戦で敗れクラブの悲願であったLa Décima (ラ・デシマ)達成とはならなかった。
モウリーニョ氏は2009ー10シーズン、インテルを率いイタリア勢初の3冠を達成(2024年2月現在まで)し、その手腕を高く評価され翌シーズンレアル・マドリードへ引き抜かれた。
クラブとしてもモウリーニョ氏にとってもCLは喉から手が出るほど欲していたタイトルだけに、2年連続準決勝で、そして決勝まで残り一歩というPK戦での敗退は精神的に大きなダメージになったに違いない。