東京六大学準硬式野球連盟75周年式典開催、100周年へ向けさらなる発展を目指す

東京六大学準硬式野球連盟(以下、連盟)の75周年記念式典がリーガロイヤルホテル東京で12月9日に挙行された。当初は前年度に実施予定だったが、コロナ禍のあおりを受けて延期に。1年越しの開催に現役部員や多くのOBが集まり、各地区の準硬式野球連盟の役職者なども来賓に駆け付けた。式後には食事を取りながら歓談する祝賀会も行われ、会場は大いに盛り上がった。(取材・新内智之、川北祐梨子)

開会の辞では今回の式典・祝賀会の実行委員長を務める大橋弘隆氏(連盟理事長)が、連盟は戦後間もない混乱の時期に「野球を復活させる」という強い意志によって創設され、現在でも運営や天候などの問題を学生中心に乗り越えながら実力伯仲の各大学が熱戦を見せていると紹介、75周年を新しいスタートとして歩を進めていきたいと語った。

宮内孝知氏(連盟会長)による主催者挨拶に引き続いては来賓挨拶。鈴木眞雄氏(全日本大学準硬式野球連盟会長・東海地区大学準硬式野球連盟会長)は準硬式野球について、東京六大学が「スタートから現在も中心的役割」を担っていると指摘。中畑稔氏(関東地区大学準硬式野球連盟副会長・東都大学準硬式野球連盟会長)は昨年も甲子園球場で開催された準硬式野球東西対抗戦に触れ、両者とも今後も準硬式野球をますます発展させていきたいと意気込んだ。

特別講演でマイクを握ったのは慶應義塾高校野球部の森林貴彦監督。昨年夏の甲子園で同校に107年ぶりの栄冠をもたらした優勝監督はまず、“Enjoy Baseball”の意味について勝敗を気にしない「楽しい野球」ではなくチャンピオンを目指して「より高いレベルの野球を愉しむ」と解説した。選手には地味な練習や試行錯誤、仲間との切磋琢磨などを含めたプロセス全体を愉しもうと伝えているという。

特別講演に登壇した慶應義塾高校野球部の森林貴彦監督

勝ちさえすれば手段は問わないという勝利至上主義を問題視し選手とのフラットな関係性を目指す一方で、選手に迎合することはせず意図のないプレーは責めると明かす森林監督。指導者のあるべき姿は、引っ張っていくのではなく選手が自ら考えるのをサポートし、選手の成長を指導が邪魔してしまうリスクを踏まえ「教えない勇気」も持つべきと語った。他者にはない独自の視点の重要性も強調。小学校に当たる慶応義塾幼稚舎教諭との「二刀流」である自身の独自性について、高校生を子ども扱いせず、高校生が持つ大人としての長所(計画性など)と子どもとしての長所(疲れ知らず、恐れ知らずなど)を両方理解して指導できることだと述べた。

甲子園でのこぼれ話も交えつつ30分にも及んだ熱のこもった講演が終わると、式典は祝賀会へと移った。歓談の時間の後、法政大学準硬式野球部OBでプロ野球・西武などに在籍した呉俊宏氏と、明治大学OBで昨年のドラフトでオリックスから指名を受け入団した高島泰都投手が挨拶。最後には昨年のWBCで侍ジャパンを優勝に導いた栗山英樹氏からのビデオメッセージも流され、連盟のこれまでの長い歴史を改めて印象付けた。

新チームの主将は今季に向けた力強い抱負も語ってくれた

山中涼雅・新主将のコメント

75周年記念式典に出席し、準硬式野球界が長年にわたり築き上げてきた歴史の重みを実感しました。

この貴重な遺産を受け継ぎ、100周年に向けてさらに準硬式野球を盛り上げていく所存です。

私たちの目標は六大学リーグでの勝ち点獲得です。

東大が25年間勝ち点から遠ざかっているという事実を受け止め、私たちは25年間の先輩方を超える努力をする覚悟を持ち、日々の練習に取り組んでいます。

東大の野球は硬式だけじゃない。

悔しくも、現時点で準硬式は硬式ほどの知名度はありません。

100周年に向けた準硬式の知名度を向上させていくために、まずは来年度勝ち点獲得の報告ができるよう、引き続き全力で努力していきます。

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