町村議員の報酬増求める決議採択 県町村議長会、なり手不足解消へ

 岡山県町村議会議長会(会長・難波武志吉備中央町議会議長)が低額な議員報酬が議員の「なり手不足」の大きな要因になっているとして、各町村長に対して報酬の引き上げを求める決議を採択したことが28日、分かった。報酬のみで生計の維持が可能な水準への適正化を要望している。全国町村議会議長会によると、47都道府県の組織で同様の決議に踏み切ったのは岡山が初めて。

 町村議選を巡っては、2019年5月からの4年間に行われた全国926町村議選のうち、岡山県勝央町を含む254町村議選(27.4%)が無投票となり、なり手不足がさらに深刻化。一方、20年の議員報酬に関する全国調査では町村議の平均は約21万円で、市議(人口50万人以上)の約72万円の3分の1以下となっている。

 決議では町村議員の報酬について「市区議員らと比べて著しく低く、若い世代にとって生計を維持できないほど低水準だ」と指摘。その上で、各町村長には議会側の意見を十分に尊重するとともに、諮問機関に当たる特別職報酬等審議会で議論する場合は、増額の代わりに議員定数削減を安易に考えないよう求めている。

 県町村議会議長会が22日に岡山市内で総会を開き、加盟する12町村が全会一致で決議を採択した。3月12日に県町村会長の山崎親男鏡野町長に決議文を手渡し、岸田文雄首相や県関係国会議員に送付する予定。難波会長は取材に「報酬の引き上げには社会的な理解が欠かせず、決議という形を取った。なり手不足の解消に向けた取り組みを加速させるきっかけにしたい」と述べた。

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