竹中工務店/23年12月期決算連結・単体とも増収増益、物価高騰の影響続く

竹中工務店の2023年12月期決算は連結、単体ともに増収増益となった。連結売上高は大型工事の進展で前期比17・2%増の1兆6124億23百万円。利益項目は増加したが「建設資材価格の高止まりや労務費上昇などの影響が続き、厳しい状況に変わりはない」(松下完次執行役員経営企画室長)としている。建設需要が堅調に推移する中で受注は好調だった。
連結業績は営業利益456億76百万円(前期比61・2%増)、経常利益593億1百万円(50・5%増)、純利益374億64百万円(23・8%増)。営業利益は退職給付会計の割引率見直しなどの影響分143億円を利益計上したため、大幅な増加となった。
単体の完成工事総利益(粗利益)率は0・2ポイント上昇の6・5%となったが、退職給付会計分の利益を除くと5・8%で0・6ポイント低下。物価高騰の対応で中間期に工事損失を計上した影響が響いた。森田章裕財務室長は「価格転嫁への理解は得られつつある。地道に交渉を重ねるとともに、引き続き採算重視の受注戦略で利益改善に努めたい」と話す。単体受注高(建設)は17・3%増の1兆2435億円だった。
24年12月期は連結、単体ともに減収減益を予想する。連結は売上高1兆5625億円(3・1%減)、営業利益295億円(35・4%減)、経常利益385億円(35・1%減)、純利益270億円(27・9%減)。単体は売上高1兆1693億円(6・5%減)、営業利益180億円(43・6%減)、経常利益285億円(36・8%減)、純利益200億円(31・7%減)。 単体の建設受注高は30・4%減の8650億円を見込む。多くの手持ち工事を抱える中で「時間外労働の上限規制適用を踏まえた生産体制とのバランスを考え、25年以降に完工高を一端落ち着かせるため受注目標を設定した」(松下経営企画室長)としている。

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