男子テニス世界7位のルネを15年間サポートした母アネケ氏が引退!「成長した彼にもうフィルター役は必要ありません」<SMASH>

男子テニス界の若手注目株ホルガー・ルネ(デンマーク/世界ランキング7位/20歳)を15年にわたりサポートしてきた母親のアネケ・ルネ氏が、息子のマネジメント業務から今後手を引くことを決断した。

アネケ氏がマネジメント業務を終えるのは、ルネが2月上旬に米国のスポーツマネジメント会社IMGと契約を結んだためで、今後は母親に代わり同社がマネジメントを引き継ぐことになった。

デンマークメディアの『B.T.』のインタビューでアネケ氏は、マネジメント業務を退くことに関して「これで他のことに踏み込む時間が増えました。図面上にある全てのことを整理する時間です」と今後はもっと広い視野で活動することを明かした。

また、マネジメントから手を引くタイミングについては「ホルガーがティーンエイジャーになった時から、彼が自分で色んなことをこなせるようになったら徐々に身を引くつもりでした」と語り、「ホルガーは立派に成長したと思います。彼にとって何が必要なのか、何が重要なのかをチームに伝えるのに、もはやフィルター役は必要ありません」とした。

アネケ氏の中には常に“退団プラン”は存在していたそうで、具体的には「2023年の終わりごろ」から現実味を帯びてきたという。ちなみに同年の後半戦は結果が出せなかったため、10月下旬にはカンフル剤として元世界王者ボリス・ベッカー(ドイツ)をコーチとして招聘。さらに12月下旬にはロジャー・フェデラー(スイス/元世界1位)を長年指導した知将セベリン・リュティ氏(スイス)も招聘した。

結果的にベッカー氏とリュティ氏の関係は短期間で解消されたが、アネケ氏は「彼(ホルガー)は自分が何を望み、何を望んでいないかを、自ら発言できるようになった」こともチームを退いてもいいタイミングだと感じさせたようだ。
現在開催中の「アビエルト・メキシコ・テルセル・HSBC」(2月26日~3月2日/メキシコ・アカプルコ/ATP500)に第2シードで参戦しているルネ。そのチームには現在、ルネをジュニア時代から知る新コーチのパトリック・ムラトグル氏(フランス)とケネス・カールセン氏(デンマーク)が顔を揃えている。

今後は息子の試合をテレビで見ることになるアネケ氏は「家で見ていると客観的になれるんです。ホルガーにはいつも正直に接してきましたが、今後は外から見て“あれは良かった、これは悪かった”と言えるのはとても良いことです」と語る。

とはいえ、現在もルネが遠征する際の航空券やホテルの手配などの実務的なことの多くは基本的にアネケ氏が担当しているようで、「必要と思われる時にはトーナメントにも顔を出す」そうだ。

新体制でメキシコ大会に臨んでいるルネは、現地27日に実施された1回戦でマイケル・モウ(アメリカ/同122位)に快勝。2回戦では予選勝ち上がりのアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ/同93位)との対戦が予定されている。果たしてアネケ氏は息子のメキシコでの戦いぶりを見て何を思うのか…。

構成●スマッシュ編集部

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