富山県滑川市のタラソピア解体 水野市長、跡地「観光の拠点に」

滑川市が解体する方針を示したタラソピア=滑川市中川原

 昨年に閉館した富山県滑川市中川原の海洋深層水体験施設「タラソピア」について、水野達夫市長は28日、建物を解体する方針を示した。劣化が激しく、修繕して再活用すれば多額の費用がかかるため。跡地は公民連携方式の導入を視野に、「ほたるいかミュージアム」など周辺施設との一体的な整備を検討する。同日の市議会定例会の提案理由説明で表明した。

 市は昨年12月~今年1月に建物を調査。プール内や機械室で塩害が進み、内部の鉄筋が腐食していることが分かった。建物を使い続けるには、腐食した鉄筋の補修や設備の全面更新、付着した塩分の除去といった大きな修繕が必要になるため解体を決めた。水野市長は取材に「更地にし、観光拠点としていい形にしたいと考えている」と述べた。

 タラソピアは1998年に開館。市の第三セクター「ウェーブ滑川」が運営し、深層水を使った歩行浴やジャクジーなどを楽しめた。老朽化に伴う修繕費の増加や利用者の減少から、今年3月末で廃止する予定だった。昨年6月下旬、プールの天井が腐食で一部崩落し、閉館を前倒した。

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