妻夫木聡×渡辺謙がタッグ! テレ東60周年特別ドラマ『生きとし生けるもの』5.6放送 脚本は北川悦吏子

ドラマ『生きとし生けるもの』メインビジュアル(C)テレビ東京

妻夫木聡主演、渡辺謙が共演するテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル『生きとし生けるもの』が、5月6日20時より放送される。脚本は北川悦吏子、監督は廣木隆一。

本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が、人は何のために生き、何を残すのかという永遠の問いの答えを求めながら各地を巡るヒューマンドラマ。

人生に悩む内科医・佐倉陸を演じるのは、シリアスからコメディまで様々な役を演じ、映画『ある男』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど数々の話題作へ出演する妻夫木聡。妻夫木は、テレ東のドラマに初出演で初主演となる。

佐倉陸を演じる妻夫木は、「こんなにも役と共に生きた感覚を得られたのは久しぶりでした。生きることは何なのか、僕自身も陸と共にオッサン(成瀬翔/渡辺)に導いてもらったような気がします。皆さんもこのドラマの中で、陸とオッサンと共に一緒に旅をしてもらいたい。そして、ドラマの中で精一杯生きる僕たちの想いを体感してもらいたい。きっと皆さんにも、幸せの瞬間が訪れることを確信しています」と語る。

陸と旅をする余命宣告を受けている男・成瀬翔を演じるのは、日本を代表する俳優であり、映画『ザ・クリエイター/創造者』などハリウッドでも活躍を続ける、渡辺謙。今回、7キロの減量をするなど役作りをして本作に挑んだ。

成瀬翔役の渡辺は、「北川さんは難病と向き合い、独特の死生観を持たれていた。彼女の感じてきた『生きること』『死に向かうこと』それを演じてみたいと思った。ある時は、薬の袋の裏に台詞を殴り書きしたという。彼女流の軽いやりとりの向こうに浮きあがる“死”。中々にハードルの高い作品だった」とコメント。

物語を綴るのは、『ロングバケーション』(フジテレビ系)『ビューティフルライフ』(TBS系)など、数々のラブストーリーを生み出し、「ラブストーリーの神様」と呼ばれる脚本家・北川悦吏子。北川のデビューはテレ東で1989年に放送したドラマ『月曜 女のサスペンス』の中の一遍『赤い殺意の館』での共同脚本だった。それから30年以上の時を経て、北川がテレ東に帰ってくる。北川作品に妻夫木が出演するのは、『オレンジデイズ』(TBS系)以来20年ぶり。渡辺の出演は初となる。

監督は、映画『余命1ヶ月の花嫁』『月の満ち欠け』『母性』など、数々の名作を生み出している廣木隆一が務める。

また、放送に先駆け、本作のノベライズ文庫が3月6日に文藝春秋より発売される。

テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル『生きとし生けるもの』は、テレビ東京系にて5月6日20時放送。

妻夫木聡渡辺謙北川悦吏子のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

妻夫木聡(佐倉陸役)

今回、北川悦吏子さんとご一緒するのは約20年振りとなりました。そんなに月日が経っていたとは全く想像もつかなかったのですが、終わってみたらこの作品で再びご一緒するのは、どこか運命だったのではないかと思うくらい、僕にとって素晴らしい出逢いとなりました。死生観というものは人それぞれにあると思います。だけど、こんなにも真っ向からぶつかった作品はなかなかありません。生きる上での、喜び、哀しみ、希望、絶望、その全てを受け止めて僕は陸と共に旅に出たいと素直に感じました。いえ、出なければいけないという、どこか使命感にも近いものを感じていたのかもしれません。それくらい僕は北川さんの覚悟を感じましたし、北川さんは僕を信じて託してくれたのだと思います。想いとは相手を思う心。そんな想いが溢れたこの脚本で生きれたことに喜びを感じています。

渡辺謙さんにはとにかく感謝しています。謙さんがいなければ僕は陸になることはできなかったでしょう。役としてだけでなく、常に僕と向き合って一緒に闘ってくれた。オッサン(成瀬)と一緒にいることが当たり前になっていた僕は、撮影が終わった今、心にポカンと穴が空いたような状態です。スマートだけど、どこかチャーミングな謙さんはまさにオッサンそのものでした。そんなオッサンこと、謙さんが僕は大好きです。この作品で謙さんと一緒に旅をできたことは僕の財産となりました。

こんなにも役と共に生きた感覚を得られたのは久しぶりでした。生きることは何なのか、僕自身も陸と共にオッサンに導いてもらったような気がします。皆さんもこのドラマの中で、陸とオッサンと共に一緒に旅をしてもらいたい。そして、ドラマの中で精一杯生きる僕たちの想いを体感してもらいたい。きっと皆さんにも、幸せの瞬間が訪れることを確信しています。

渡辺謙(成瀬翔役)

北川悦吏子さんから作品へのお誘いを頂いた。医者と死に行く患者の話だという。私は、かねてから医療に関するドラマを固辞していた。自分の体験から本当に苦しむ患者の気持ちはドラマでは描けないと感じていたからだ。そこからメールのやり取りが数回続いた。北川さんは難病と向き合い、独特の死生観を持たれていた。彼女の感じてきた「生きること」「死に向かうこと」それを演じてみたいと思った。ある時は、薬の袋の裏に台詞を殴り書きしたという。彼女流の軽いやりとりの向こうに浮きあがる“死”。中々にハードルの高い作品だった。生きることの苦しさ、喜びを感じながら北川悦吏子の「死生観」を体現した。

北川悦吏子

点滴を見つめる生活を続けた。なぜ、生きなければならないのか? また死を迎える人は、なぜ死ななければならないのか? 生きるって何だ? 死ぬって何だ? 人間ってどうだ? この15年来、脚本家としてどうしても書きたいと思っていたテーマだ。書いてみたら意外にも愛の話になった気もする。わからない。この物語に、生と死に関してはっきりした結論があるのかどうかもわからない。答えなんてない中で、私たちは、ただ、生き続けるのかもしれない。けれど、妻夫木聡くん、渡辺謙さん、廣木隆一監督、得難い方々に集ってもらい、作品は、命を持つ生き物になった。どうせ100年経ったらこの世は総入れ替え。今、この世界に生きる、どこかの誰かの胸に届くことを願って。

■番組プロデューサー・祖父江里奈(テレビ東京 制作局ドラマ室)

青春時代にテレビに食い入るように観ていた北川さんのドラマの数々。キラキラした恋の物語は永遠の憧れとして心に残っています。そんな北川さんとご縁あってお会いすることができ、「テレビ東京の60周年のドラマを書いて頂きたい」とお願いしたところ「ずっとやりたかった企画がある」と。ラブストーリーの神様がずっと温めていた企画とは? と思っていたら、まさかの「男2人の医者と患者のロードムービー」でした。テレビ東京でやるなら普段やらないジャンルのものを書きたい、とのこと。

何年も難病と闘いながら執筆を続けてこられた北川さんが、ご自身の経験と募る思いと言葉の数々を込めて産み出したこの大切な作品をテレビ東京に托してくださったのは本当に嬉しく、また身が引き締まる思いです。生と死を描く物語でありながら、どこか爽やかさや瑞々しさを感じさせるのは北川さんならでは。

それを妻夫木聡さん、渡辺謙さんというこれ以上ないお2人に演じていただけることになりました。妻夫木聡さんと北川悦吏子さんの『オレンジデイズ』のタッグ再び、となれば私を含め多くの人々が心躍るはず。そして、悩み抜いた末、出演を決めてくださった渡辺謙さんには感謝してもしきれません。さらにこの物語を廣木隆一監督がご自身の地元・福島で撮影してくださいました。風光明媚な景色の中で撮られた数々のシーンはどれも叙情的で見応えがあり、また監督を慕う多くの才能あるスタッフが集結しテレビドラマとしては最高のクオリティに仕上がりました。

きっと多くの人の心に響く、普遍的な物語です。ぜひご覧ください。

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