UEFAがユーロ2028開催予定地のベルファスト訪問…ケースメント・パーク再建プロジェクトが懸念

再建プロジェクト懸念のケースメント・パーク[写真:Getty Images]

欧州サッカー連盟(UEFA)の代表団が、ユーロ2028の開催予定地である北アイルランドのベルファストの視察を行うようだ。『ESPN』が報じている。

イギリスとアイルランドは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド、アイルランド共和国で開催されるユーロ2028の開催権を獲得した。

そういったなか、現時点で懸念材料となっているのが、5試合の開催が予定されるケースメント・パークの再建プロジェクトだ。

2013年以来閉鎖されているゲーリックフットボールの会場であるケースメント・パークは今大会に向けて再建プロジェクトが計画されているが、資金調達問題によって計画実施に暗雲が垂れ込めている。

これを受け、UEFAはスタジアム建設の見通しを評価するため北アイルランドの首都への技術訪問を行うことになった。

仮に、スタジアムが予定通りに完成しなかった場合、北アイルランドには代替施設がないため、UEFAは予定される5試合を他の開催国に変更せざるを得なくなる。

北アイルランドの伝統的な試合会場であるウィンザー・パークは、収容人数(1万8500人)が限られており、スタジアムをさらに拡張することができないため、ユーロ2028では試合を開催できない。

なお、北アイルランドのサポーターの間では、試合会場がベルファスト西部の伝統的なナショナリスト地区に位置しているため、ケースメント・パークに試合を与える決定をめぐって広く反対の声が上がっている。ウィンザー・パークはベルファストの伝統的なユニオニスト地区にある。

このプロジェクトは地域社会を超えた利益が認められているため、イギリス、北アイルランド、アイルランド共和国のすべての政党の支持を得ているが、費用は現在推定2億ポンド(約381億円)にまで膨れ上がっており、決定を待っている状態。イギリス政府からの資金援助により、建設計画は保留されたままになっている。

UEFAは28日にベルファストでミシェル・オニール首相を含む高官と会談し、状況をより明確に把握するためにケースメント・パークも訪問する予定だ。

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