【なでしこジャパン2-1北朝鮮|採点&寸評】パリ五輪出場権をもたらす決勝弾のアタッカーをPOMに! スーパーセーブの守護神も高評価

[パリ五輪・アジア最終予選]日本女子 2-1 北朝鮮女子/2月28日/国立競技場

なでしこジャパンは2月28日、パリ五輪・アジア最終予選の第2戦で北朝鮮女子代表と国立競技場で対戦し、2-1で勝利を収めた。

序盤からボールを保持して押し込むと、26分にセットプレーの流れから、ゴール前のこぼれ球を高橋はなが押し込み、先制に成功する。

さらに76分にはショートカウンターから追加点。長野風花のスルーパスに反応した右サイドの清水梨紗がクロスを供給すると、最後は藤野あおばが頭でゴールに流し込む。81分に1失点したものの、最後までリードを守り抜き、パリ五輪への出場権を獲得した。

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▼なでしこジャパンのチーム採点「7」
序盤は相手の5バックを前に、攻撃の糸口を見いだせず、なかなかシュートまでいけなかったが、徐々に選手の距離感が良くなり、スムーズに中盤でパスが回るように。

守備では攻撃陣を含めて全員が献身的だった。前からのプレスバックや、それぞれがしっかりとマークについていき、相手の攻撃を遅らせる好プレーも目立った。

再三の仕掛けからクロスを供給したウイングバックの北川と清水、相手のセンターフォワードを自由にさせなかった熊谷や得点を挙げた高橋、藤野らも見事なパフォーマンス。多くの選手を高評価した。

▼なでしこジャパンの出場14選手&監督の採点・寸評

GK:山下杏也加|採点7.5/安心感のあるセービング。45分に相手のシュートをゴールライン上でかき出したスーパーセーブなどで最少失点に抑えた。

DF:清水梨紗|採点7.5/鋭い突破で右サイドを支配。相手を抜き去り、決勝弾をお膳立てしたクロスも見事だった。

DF:南 萌華|採点6/不用意なパスミスが失点に繋がったが、それ以外は安定したプレー。相手にしっかりと身体を当てて、右サイドからの進入を許さなかった。

DF:高橋はな|採点7/攻勢を強めながらも、1点が遠い苦しい時間帯に、チームに流れを引き寄せる先制点を奪った。

DF:北川ひかる(89分OUT)|採点7/仕掛けだけでなく、意表を突いた縦パスや斜めの浮き球のパスで好機を創出。久々の先発とは思えない堂々としたプレー。

MF:熊谷紗希|採点7/3CBの中央で相手の攻撃の芽を摘み続けた。CFのスン・ヒャンシムに前を向かせなかった。

MF:長野風花|採点6.5/左右に積極的に顔を出してボールを捌き、潤滑油的存在に。長谷川との距離感も良く、2人の連係で崩す場面も目立った。

MF:長谷川唯|採点7/上手さが際立つ。相手に囲まれてもひらりとかわし、前線に精度の高いスルーパスを何度も供給した。

MF:藤野あおば|採点7.5/果敢にシュートを狙い、守備でのプレスバックも効いていて、攻守の貢献度は計り知れない。パリ五輪出場権をもたらす決勝ゴールも。POMに選出。

FW:上野真実(63分OUT)|採点6/存在感が希薄な時間帯もあったが、WEリーグで得点ランキングトップ(5得点)を走る自信を感じさせる積極性を見せた。

FW:田中美南(89分OUT)|採点7/力強いポストプレーで攻撃にリズムを生めば、再三にわたる絶妙な動き出しで相手の脅威となった。

途中出場
MF:清家貴子(63分IN)|採点6.5/なでしこのスピードスターが途中出場で存在感。クロスに飛び込むタイミング、裏への抜け出しなどで決定機に絡む。

DF:古賀塔子(89分IN)|採点なし/左ウイングバックを務め、シンプルなクリアの判断をするなど、冷静な対応で試合を締めた。

FW:植木理子(89分IN)|採点なし/前線に入り、短い時間で大きな見せ場は作れなかったが、プレスバックでボールを奪い返すなど、守備で魅せた。

監督:池田太|採点7/初戦の4バックから、システムを3バックに変更して見事勝利を引き寄せた。1戦目のメンバーから代わって起用した北川、上野も上々のパフォーマンス。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

※Player of the match=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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