【独占インタビュー】桜田通が「所さん!事件ですよ」に“パール男子”としてゲスト出演! パールへの愛や最近の仕事を語る

「あなたの知らないニッポンが見える」をテーマに、司会の所ジョージさんと木村佳乃さんがおくるNHK総合のバラエティー「所さん!事件ですよ」。2月29日の放送は「価格が3倍に!? 『真珠』最新事情」と題し、“パール男子”の代表格として桜田通さんがゲスト出演します。

海外での真珠ブームの影響もあり、国産アコヤ真珠の価格が高騰。背景には、一部の産地で新種のウイルスによって生産量が急減していることもあります。そんな中、あらためて注目を集めるのが滋賀・琵琶湖の淡水真珠。生産量が低迷する中、「ナマズ」が救世主として注目される意外な理由とは!? 値が付かない規格外の真珠に新たな命を吹き込んだ、祖父と孫娘の物語もおくります。

今回は、桜田さんにパールへの深い愛や、メジャーデビューして約10カ月を迎えたアーティスト活動、今後の目標などたっぷりお伺いしました!

――まず、番組のオファーを受けた経緯と感想を教えていただきたいです。

「『あなたの知らないニッポンが見える』という切り口がすてきだなと思いました。僕にとってパールはとても大切なものなので、番組でどのようにパールを取り上げるのか確認した上で、お返事させていただきました」

――番組内でパール男子の“代表格”と紹介されたことに思いはありますか。

「パールを愛している人はたくさんいると思うので、すごく光栄でもあり、恐縮しています。僕がパールを好きになったタイミングは、世の中で男性がパールを着けることがはやり始めた頃だったので、そう言っていただけるのは素直にうれしいです」

――パールに関して詳しくお話されていましたが、どのように勉強されたのですか?

「歴史ある宝飾品ブランドのお仕事で養殖場の見学に行ったり、実際に働いてらっしゃる方からお話を聞いたことによって知識が増えました」

――桜田さんとパールといえば、2022年12月に公開されたアーティストデビュー発表時の写真が印象的ですが、スタイリングはご自身で提案されたのでしょうか?

「役者業では、自分の気持ちと反していることを役を通して言わなきゃいけない時もあります。それが役を演じることの面白さでもあると思っていますが、対して音楽やファッションは自分を自由に表現できる。デビュー写真では等身大の自分を素直に、そして自由に表現しようと決めていました。自分にしっくりくるファッションや見え方を考えた時に、『僕はジュエリーの中でパールが一番好きだな』と思って撮影したのがこの写真です。『せっかくやるなら、がっつりやろうよ』というのが僕のチームのポリシーなので、スタイリストさんと相談し、パールをたくさん重ね着けしました」

――イギリスの歌手ハリー・スタイルズさんのファッションから、男子がパールを身に着けることを知ったとおっしゃっていましたが、ファッションのお手本はどのように収集しているのですか?

「ハリー・スタイルズさんの写真は、海外メディアを見ていた時に偶然出てきた1枚でした。気になって日本語でも調べて、さらに詳しく知ったという感じです。お仕事でもSNSを活用しているので、情報収集はSNSやインターネットの記事からが多いです」

――英語の記事まで読んでいるなんて、さすがです! 今回の収録で印象に残っていることはありますか。

「淡水パールの養殖にナマズが活躍していることや、形が丸でないものを個性として捉え、それを強みに変えてアイテムにする活動をされている方がいるということを初めて知りました。僕がパールを好きな理由として、球体としての美しさはもちろんですが、作られる過程やそのものの輝きも全部まとめて愛しているんです。パールが出来上がる過程としての価値はすべて平等だと思っているので、正統の美しさから外れてしまったものにも価値を付けるというすてきな活動をされている方により、パールの新たな魅力に気付かせてもらいました」

――今回、出演されてみて感じた番組の魅力を教えてください!

「普段の生活では通り過ぎてしまうような情報を、30分という短い時間で、初めて見た方にも簡潔に分かりやすく伝えていることが魅力だと思います。今回も、パールの魅力や造られる過程、今抱えている環境問題など面白く学べる番組という印象を持ちました」

――桜田さんがこの番組で調査してほしいものはありますか?

「なんだろう…。僕は衣食住にこだわりたいタイプなので、新しいマンションの内装や日本の食料自給率に関することを知りたいです。世界的にいろいろなことが起きている中で、日本が輸入国家である問題など、自分が生きていく上で関わる衣食住の問題を調査していただきたいです」

――番組タイトルにちなんで、最近身の回りで起きた事件を教えてください!

「この間、お仕事でブラジルに行っていたんです。『最終目的地の空港に届きます』と言われた荷物が、トランジットで降りた空港の手荷物受取所にあって。良くも悪くも言われたことを一個一個、疑問に思わないといけないんだなと実感しました。僕は留学していたことがあったので、乗るはずだった飛行機の時間が急に遅れたり、電車が時間通りに来ない経験はあったんですけど、規律正しい日本で長く生きている身としては、海外は文化も常識も異なることを再確認しました。そして、驚いたのがブラジルの入国審査で、やたら僕だけ時間がかかると思ったら、職員の方が僕の作品を見てくださっていて、その場でサインを求められるという…。日本だったら絶対に想像できないことが海外では起こり得るので、海外はすごいと思いました」

――海外では意外な事件が起きますよね。

「そうなんですよ。本当に自分の予想していないようなハプニングが続いたので、勉強になりました」

――昨年は仕事でイタリアに行かれていましたが、今後行ってみたい国はありますか。

「アジアももちろん好きなんですけど、20歳のころに留学でイギリスのロンドンに行って以来、行っていないんです。あれから10年以上たっているので、また行ってみたいですね」

――いろいろと変わったでしょうね…。

「10年という年月もそうですし、EUを離脱してから変わった部分もあるだろうし、興味深いです。ヨーロッパのイタリアやフランス・パリなどいろいろ行った上で、もう1回行くと見え方が変わるだろうな思います。ロンドンは海外で初めて行った場所なので、そういう意味では、今行くと冷静に見ることができるのかなと思います」

――ロンドンの留学で印象に残っていることを思い出していただきたいのですが…。

「ロンドンの人って、いい意味で他人に興味がないのか関心がないのか…。日本で歩いていると、どこに行っても一度は人と目が合う気がしていて『擦れ違うだけなのに、なんで人を見るんだろう』ということがすごく多いんです。でも、ロンドンでは『自分って世界の中のたった1人なんだ』と思わされるぐらい、周りが慌ただしく、人の目を気にしないんですよね。逆に知り合った人は、すごく対等に温かく接してくれる気持ちの良さを感じました。自分の職業も関係なく接してくれていた友達が多かったので、そういったいい意味での人への興味のなさと、仲良くなった時の温かさは海外ならではだと感じました」

――具体的なエピソードがあれば、詳しく教えてください!

「向こうで出会った日本の方にすごくお世話になって、ジャパニーズレストランで食事を取らせてもらうなど、いろいろと助けていただいた思い出があります。僕は10代の時からお仕事をしていたのですが、社会に出たことがあまりなかったので、ロンドンで出会う人の温かさや、あらためて自分のちっぽけさに気付かされたことが留学で心に残っています」

――すてきなお話をたくさんお聞きできてうれしいです。バラエティー番組の出演は珍しいですが、今後、力を入れたい仕事を教えていただきたいです。

「役者から始めているお仕事なので、お芝居に関わることを率先してやっていくことは当たり前だと思うんです。最近はイタリアやブラジルに行ったことによって、海の向こうにも自分を応援してくださっている方がいることを実感しました。昔から自分を応援してくださっている日本の方はもちろんのこと、自分と会った時に喜んでくださる皆さんに恩返しをしたいという思いが強いです。海外にも視野を広げ、お仕事を通して国内外問わず皆さんとコミュニケーションが取れる機会をもっと増やしていきたいです」

――今年もたくさんの方に会えるといいですね!

「番組に出るきっかけになったパールもそうですけど、すべての根底には人との出会いがあると思っていて。もちろん僕がパールを好きで身に着け始めたことなんですけど、歴史を学び、パールに携わっている方たちと出会ったことによって、より好きになったように、人とのつながりで僕も魅了されていくことがすごく多いんです。そういう方にこれからもたくさん出会って、自分の知らない世界に触れて、いろいろ発見できるようなお仕事をしていけたらいいなと思っています」

――アーティスト活動についてもお伺いさせてください。メジャーデビューして約10カ月がたちました。気が早いですが、2年目の目標を教えてください!

「今は他のお仕事と並行しての活動になっているので、2年目はスピード感や取り組み方のギアをもっと上げていきたいなという思いが自分の中にはあります。1年目は手探りでいろいろやって、もちろんまだまだ勉強ですけど『デビューするとこういうふうに人と関わってくんだ、こういうふうにスタッフさんと出会っていくんだ』ということが分かったので、2年目はそれを生かして、1年目を超えるような音楽活動をしたいです」

――以前、別のインタビューで「メジャーデビューして自分の好きな音楽ができなくなるという話をよく聞くけれど、そういう環境に置かれても、その中で自分がどんな表現をできるのか試したい」とおっしゃっていましたが、その気持ちに変化はありましたか。

「もともと役者なので、“与えられたものだけで戦わなきゃいけない”というシチュエーションが多いんです。今のところ制限は感じてはいないですが、デビューすることによって関わる方が増えている分、『自分の楽曲がどう届いていくんだろう』と考える責任とプレッシャーが大きくなりました。よく言えば、それがモチベーションにはなるんですけど。そんな責任感も時々抱えながら音楽を作っていくことが、今までと違う部分ですかね」

――規模は大きくなりつつも、好きな音楽ができているんですね。

「責任とプレッシャーがある中でも、自分がちゃんと好きだと思えるもので、なおかつ楽しみに待ってくださっている方や、これから僕の音楽に出合う人がこの世の中にいるかもしれないと考えながら、楽しんで音楽を作ることができました。だから、他のインタビューでお答えした通り、今の気持ちもそのまま変わっていないです。マイナスな気持ちはなく、すべてをちゃんと楽しみながら一個一個進んでいくべきなのかなと思っています」

――楽曲に関しては、2019年ごろに制作された「NOISE」や「FICTION」からガラッと雰囲気が変わって、最近はバラードなど穏やかな曲が増えましたよね。何か理由や心境の変化があるんでしょうか。

「年齢や環境で、音楽も変わってくるものだと思っています。僕は自分の好きなジャンルの軸はありますが、その時に感じていることや考えていることを作る音楽に反映させたい。それが自分の中で一つの条件なんです。自分の音楽のスタイルに固執し過ぎて『本当は自分は今こういう気持ちじゃないのに』と思うのではなく、心に素直に作っていきたいという、自分の楽曲への思いの表れなのかもしれないです」

――ご自身の心が真っすぐ反映されているんですね。

「そういう意味では、2019年ごろはちょっと尖った思いを持っていたんでしょうね。最近の曲が穏やかなのは、いろいろな愛を持った人たちと出会ったり、ドラマで仲良くなった共演者の方との交流が続いていたり、国内外問わず自分を知ってくださっている人の存在を感じることができたからで。デビューを喜んでくださったファンの皆さんの存在も大きく感じましたし、ここ1年の思いが反映されているのかなと。そういう思いが自分の中にあると、優しさや温かさのある楽曲を作りたくなるんだと思います。それに、今の世の中は、僕の目で見てもあまり平和な時代には見えないんですよね。だからこそ、平和な楽曲や温かさを感じるものを人に伝えたくなっている気がします」

――コロナ禍ではすごく穏やかで温かい曲を作られていたのが印象的だったんですが、世の中の状況に反比例している面もあるんですね。

「どんな状況でもちゃんと前を向いて進んでいくことが今は大事だと思っているので、そんなメッセージを楽曲に込めたいです」

――新曲「Let you know」に込められた思いをお聞かせください!

「この曲は、平たく言うとラブソングやバラードに位置付けられるんですけど、僕としてはそう思っていなくて。恋人だけではなく、家族や友達など自分が大切に思う相手として捉えていただけたら、楽曲の解釈も変わってくると思っています。サウンドや歌詞など、いろいろ追求して作ったので、僕も大好きな楽曲になっています。『こういう曲を歌いたい』と思って制作した曲なので、少しでも早くたくさん歌いたいという思いが強いです。そのモチベーションが、この後の全国ツアーにつながると思っています」

――全国ツアーの目標も教えていただけますか。

「僕のことや、僕の音楽を好きだと伝えてくださっている方たちの住んでいる場所に少しでも近づいて、ライブしたいなという思いに尽きます。音楽で一つになれるあの瞬間が、この後、全国各地で待っていると思うので、なるべくいい状態の音楽を、みんなが見やすい環境で披露したいです。すべての公演が非常に楽しみでワクワクしています」

――ライブでは、より近い距離でファンの方たちと会うことができますよね。

「ライブが楽しいという思いはシンプルにありますが、受け取ってくださる方がいないとできないことなんです。役者だった僕が音楽を始めた時に、アーティストデビューもしていない僕の音楽を一緒に楽しんでくれた人がいたことが、僕にとってはすごくうれしくて、幸せで。その時代のことも今もすごく大切に思っていますし、忘れていません。『自分のやりたいことを応援してくださる人たちが、こんなにも目の前にいるんだ』と心強かったこともすごく覚えています。デビューを決めることができたのも、その頃から自分の音楽を応援してくださっている方がいたからで、ライブはあらためて自分の気持ちに向き合わせてくれて、これからも前向きに頑張りたいなと思わせてくれる場所なんです。もちろん、音楽で皆さんを元気付けたり勇気付けたい思いもありながらも、お互いのエネルギーが充電されるので幸せな空間だなと思います」

――全国ツアーということで、地方で楽しみにしていることはありますか。

「どの会場も楽しみな気持ちは変わらないんですけど、行ったことのない土地でライブができるとしたら、初めて来てくださる方もいるのかなと思うと楽しみです!」

――ありがとうございました!

【番組情報】

「所さん!事件ですよ」
NHK総合
木曜 午後11:00~11:30

【プロフィール】

桜田通(さくらだ どおり)
1991年12月7日生まれ。東京都出身。2005年のドラマ「瑠璃の島」(日本テレビ系)にて映像デビュー。ミュージカル版「テニスの王子様」(06~07年)の主人公・越前リョーマ役に抜てきされて以降、さまざまな話題作に出演。19年放送のドラマ「コーヒー&バニラ」(MBSほか)や、世界的に人気の高いNetflix「今際の国のアリス」シリーズへの出演をきっかけに、グローバルを視野に入れた活動に注力。23年5月12日ポニーキャニオンが運営するearly Reflectionの新レーベル“Pandrec”より楽曲「MIRAI」でアーティストとしてメジャーデビュー。

NHK担当/Kizuka

<参考文献>“桜田通が世界を見据えてメジャーデビュー|「MIRAI」に込めた愛と優しさを語る”.音楽ナタリー.2023年5月12日.https://natalie.mu/music/pp/sakuradadori,(参照2024年2月28日)

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