NHKの「BS放送だけ」を見たいのですが、「通常通り」の受信料の支払いになるのでしょうか?

NHKには2種類の契約方法がある

NHKの受信契約には、大きく分けて、地上契約と衛星契約の2種類があります。双方の受信料額をまとめると、表1の通りです。

表1

※沖縄県は料金が異なります
※日本放送協会 受信料の窓口「放送受信料のご案内 受信料額表」を基に筆者作成

地上契約と衛星契約を比較すると、12ヶ月前払いをした場合に、衛星契約のほうが9489円割高であることが分かります。

「地上契約」は、地上デジタル放送だけを視聴できる環境の方が契約します。BSやCS放送も視聴できる環境がそろっている場合のNHK受信料は「衛星契約」です。

これは、自分自身がどの放送を見るかによるのではなく、どの放送を見られる環境にあるかが関係しています。よって、BSやCSなどの衛星系のNHK放送を受信できるテレビやレコーダーを持っている方は、視聴の有無にかかわらず、衛星契約を結ぶ必要があります。

なお、衛星契約は「地上+衛星」で、BS放送だけを対象とした契約方法はありません。そのため、BS放送だけを見る方でも、地上契約よりも割高の衛星契約を結ぶことになります。

BS放送だけを見たい方はNHKオンデマンドを利用する方法もある

NHKでは、放送した番組を有料でネット配信する動画サービス「NHKオンデマンド」を提供しています。「自宅にテレビを視聴する環境はないけれど、インターネット環境はそろっている」という方は、NHKオンデマンドを利用することで、衛星放送の受信料を支払うことなくBS放送番組の視聴が可能です。

NHKオンデマンドを利用する方法は、以下の3種類です。

・無料番組を視聴する
会員登録(無料)をすると、不定期に配信される無料番組の視聴ができます。

・単品商品を購入する
1本あたり110〜220円で、配信されている番組を個別に購入できます。購入後は、視聴期間(72時間)内に何度でも視聴が可能です。

・まるごと見放題パックを購入する
月額990円(税込み)で、配信されている番組を配信期間中に何本でも視聴できます。地上波・衛星波で放送している番組から、月々500本ほどの番組が配信され、1万2000本以上ある過去の放送も、好きな時間に視聴可能です。

NHKオンデマンドは、NHK受信料とは別物である点に注意が必要です。これは、放送法73条で、NHKの放送事業と会計を明確に区別して運営することが義務付けられているためです。

NHKのBS放送だけを視聴するためにNHKオンデマンドを利用する場合でも、自宅にテレビなどのNHKを視聴できる環境があれば、NHK受信料の支払いが別途必要です。一方で、自宅にテレビ放送を受信できる機器が設置されていない場合は、NHK放送の受信契約をせずに、NHKオンデマンドが利用できます。

NHKのBS放送だけを見るなら「NHKオンデマンド」の利用も

NHKの衛星契約は、地上契約と比べて、年間で9500円ほど割高になります。費用をおさえてBS放送だけを見たい場合は、NHKオンデマンドを利用することもできます。その際は、NHKの受信料が発生する、NHK放送を受信できる機器の有無を確認しておきましょう。

出典

日本放送協会
受信料の窓口 放送受信料のご案内 受信料額表
NHKオンデマンド 初めての方へ 1. NHKオンデマンドとは
NHKオンデマンド よくある質問 A. サービス内容について 1. 提供サービスについて 1-5 なぜ有料なのですか?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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