ドジャース・山本由伸“ほぼ完ぺき”デビュー 「少しホッとしている」オープン戦初登板は2回3奪三振無失点

Ⓒゲッティイメージズ

圧巻デビューに「near perfect」

前日躍動した「17」に続いて、この日はドジャースの新たな「18」が自身の価値を示した。

ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸は現地時間28日(日本時間29日)、レンジャーズとのオープン戦に先発登板。メジャー挑戦後初めての対外試合のマウンドで2回1安打3奪三振無失点の好投を見せた。

初回先頭のマーカス・セミエンを三振に仕留めて好スタートを切ると、次打者には安打を許したものの、後続を内野ゴロ併殺に仕留めて3人斬り発進。2回も先頭のネート・ローと3人目のレオディ・タベラスから三振を奪い、2回・19球のデビュー戦を終えた。

19球のうちストライクが16球を占め、常に主導権を握って相手打者を圧倒。MLB公式サイトには「near perfect(ほぼ完ぺき)」の見出しで初パフォーマンスの詳報が伝えられ、「なぜ彼が最も求められるFA選手の1人だったのかを示した」と称賛の声も挙がっている。

「良い緊張感で投げることができた」

山本は1998年5月生まれの25歳右腕。オリックスで長らくエースとして君臨し、2021年から昨季にかけてNPB史上初となる3年連続投手四冠という偉業も成し遂げた。

昨年3月に行われたWBCでも日本のエースとして好投を見せ、昨オフにポスティングシステムを利用して念願のメジャー挑戦を表明。新天地が決まったのは今年1月のこと、前年の12月に大谷翔平と“1000億円”契約を結んだことが大きな話題を呼んだドジャースが山本の獲得を発表。大谷と共闘することになった。

球団の投手としては史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約488億円)という超大型契約となっただけに、当然ながら周囲の見る目も厳しくなる。山本自身もドジャースデビュー戦となった今回の登板を終え、「オープン戦ではありますが、良い緊張感で投げることができました」「少しホッとしている気持ち」と正直な感想を吐露している。

その中で番記者に「ほぼ完ぺき」と言わしめたのだから、つかみは上々。この日投じたのは「ストレート、カットボール、カーブ、スプリット」の4球種で、現地記者から『あと10個ありますよね?』と聞かれて笑顔を見せるシーンも。続けて「これからイニング数が増えて行ってどうなるか。ひとまず今日の登板としては良かったと思います」と語り、充実した表情で初登板を振り返った。

次回の登板については未定だが、チームを率いるデーブ・ロバーツ監督は3月20日・21日に韓国で行われる開幕シリーズで登板させる構想をかねてから明かしており、今後はそこに向けて逆算した調整が求められる。投球数とイニング数を増やし、その中でピッチングの強度を高めていくこと。そしてそれを日本時代よりも短い間隔で継続していくこと。未知の領域は残しているが、まずは良い形でスタートを切ることができたのは間違いない。



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