巨人の2020年ドラ1・平内龍太、背番号66から決意のリスタート

ⒸSPAIA

2023年未勝利で背番号11から変更

ドラフト1位でプロ野球界に入った選手の注目度は高い。最高評価を受けた実力派として、即戦力とされる選手ほど入団後初めてのキャンプからオープン戦にかけて、その一投一打がニュースになる。

しかし、当然ながら活躍しなければメディアに取り上げられることも減る。ドラフト下位指名や育成出身ならまだしも「ドラフト1位」という肩書はいつまでもついて回るため、その落差が大きいほど世間の見る目も変わるだろう。

巨人から2020年ドラフト1位で指名された平内龍太投手(25)は今季から背番号66に変わった。亜細亜大から華々しくプロ入りした当時の背番号は11。別所毅彦、角三男、斎藤雅樹らが背負っていた栄光のナンバーだ。

150キロを超えるストレートを投げ込む本格派右腕への期待は高かったが、1年目は未勝利。2年目の2022年は53試合に登板して4勝4敗13ホールドの成績を残したものの、昨季はまたしても未勝利に終わった。

2022年11月に右肘クリーニング手術を受けて育成契約となった際も背番号019に変更されたが、2023年5月に支配下登録されると再び背番号11を着用。FAなどで大物が加入した場合に背番号を譲るケースもあるが、今回はそうでうはない。現に今季の背番号11は空き番となっており、6倍になった背番号は球団からの叱咤激励の意味もあるだろう。

被打率高いストレートをどう活かすか

2023年の一軍登板でのストレートの平均球速は150.9キロ。スピードだけを見れば十分に一軍レベルだが、被打率は.323と高く、被安打10のうち3本は本塁打だった。

カットボールは被打率.250、フォークは被打率.231で、いずれも被本塁打なし。カーブやツーシームも含め全球種の中で投球割合の半分以上を占めるストレートが足を引っ張っている状況だ。

本格派として、ドラフト1位として、ストレートへのこだわりやプライドも当然あるだろう。さらにストレートを磨き上げるか、あるいは変化球の割合を増やすか。もちろん制球力も重要で、結果を残すためにはモデルチェンジが必要となる。

剛速球は誰でも投げられるわけではなく、それだけで大きな武器を持っているに等しい。球団から1位の高評価を受けた素質はまだフルに発揮できていないはず。大きくなった背番号に悔しさをしまい込み、投手としても大きく成長することを期待したい。



© 株式会社グラッドキューブ