ジョージア&ポーランドの駐日大使が異例「松屋会談」 「納豆」と「NATO」、「良い湯」と「EU」絡めて得られた「外交成果」

ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使が2024年2月28日、ポーランドのパヴェウ・ミレフスキ駐日大使と「松屋会談」を行ったことをXで明かした。

「日本で起きた外交史の1ページです」

レジャバ大使は28日、料理を前に笑顔でポーズを決めた2人の写真を添え「松屋でポーランド大使にジョージアのシュクメルリを召し上がって頂き、私はポーランドのミエロニィハンバーグを頂きます。これも日本で起きた外交史の1ページです」と投稿した。

レジャバ大使は松屋の一部店舗で販売中の「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」、ミレフスキ大使は「シュクメルリ鍋」をそれぞれ食べたようだ。

ミレフスキ大使はこの投稿に、「ティムラズ大使、お食事をご一緒させていただき誠にありがとうございました。ポーランド料理、ジョージア料理の素晴らしいプロモーションとなりました」と感謝のリプライを送っている。

駐日ポーランド大使館も、写真つきで「両大使が、それぞれの国民食をご紹介することができました。 松屋の皆様、ご招待いただきありがとうございました」と書き込んだ。

松屋公式アカウントも「なんと!! お二人の大使さんが同時に松屋にいらっしゃってくれるなんて」と驚きをつづった。

「納豆を紹介しつつ、ポーランドが加盟するNATOに...」

レジャバ大使は翌29日、一般的な外務省の発表にフォーマットを似せ「駐日ジョージア大使ティムラズ・レジャバと駐日ポーランド大使パヴェウ・ミレフスキの間で行われた『松屋会談』の要旨」と題した文章をXに公開した。

要旨は5点で、1点目は

「両大使は、日本で食を通じた外交が効果的であることを確認しつつ、松屋フーズに今回の取り組みに関して謝意を表した」というもの。 2点目は、両大使が互いの国の文化をプロモーションするために「SNSを活用するなど緊密な連携を行うことで合意」。

3点目はSNSの使い方について触れた。

「その上で、レジャバ大使からは重度なSNSの使用はツイ廃につながる懸念があることを指摘し、両大使はツイ廃防止委員会を設置することで合意した」

駐日大使同士の会談だけあって、外交問題に触れた場面もあったようだ。4点目として

「ジョージア側からは松屋でも食べられる納豆を紹介しつつ、ポーランドが加盟するNATOに将来ジョージアも加盟を目指す方針について説明した」と「納豆」と「NATO」(北大西洋条約機構)を絡めたジョークを交え、政治的な話題を取り扱ったことにも触れている。

5点目の項目として「良い湯」と「EU」(欧州連合)を掛け、「またジョージア側からは日本の各地に良い湯があることに触れつつ、同国がEUへの加盟を目指す中、その一員であるポーランドからも支持を期待している旨説明した」ともしている。

「会談の最後に両大使は、3月3日に控える東京マラソンに向けて郷土料理を食べたことで良い滋養が蓄えられたことを確認し、互いの健闘を讃えた」とし、それぞれの郷土料理が紹介された店前のポップの脇に立ち、笑顔でサムアップポーズをしたツーショットを公開している。

ちゃめっ気あふれるレジャバ大使の書き込みには、面白がりつつ感服するコメントが相次いだ。レジャバ大使は続くポストで、発信の意図を次のように説明している。

「私の発信の狙いはごく明確であり、私の誇れるかけがえのない母国ジョージアに関して多くの日本の方に知って頂き、親しみを持って頂くことです。そのためには、皆様が興味持てるような形で発信しようと一貫して心がけております」

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