永瀬廉、初の恋愛ドラマ主演作『東京タワー』で新境地を開拓? 板谷由夏との共演にも期待

2月28日、オシドラサタデー公式X(旧Twitter)にアップされた官能的な1秒の動画。女性の首筋を這うセクシーな唇と美しい鼻筋から、「King & Princeの永瀬廉くんなのでは?」と考察の声が上がっていたが、まさか江國香織伝説の恋愛小説『東京タワー』が、令和の時代によみがえるとは。しかも、20歳上の女性との許されざる恋に溺れていく医大生・透を、永瀬廉が演じるとは……。

オシドラサタデー枠で4月期にスタートする『東京タワー』(テレビ朝日系)の原作小説は、2005年に黒木瞳×岡田准一で映画化、2014年には韓国でテレビドラマ化されるなど、各年代において大きなムーブメントを起こしてきた作品だ。なかでも、2005年に公開された映画を観たときの衝撃は、いまだに忘れることができない。

当時24歳。若さと成熟さを両立していたからこそ出せた岡田准一の危うげな魅力。そのアンバランスさに惹かれていくうちに、崩れていく詩史(黒木瞳)の生活。同作には嵐の松本潤も出演していたのだが、彼がラブホテルのジャクジーのなかで桃をかじっていたシーンも、強く印象に残っている。

誰もが一度観たら忘れることができない『東京タワー』。刺激的でハードな展開が続く物語に、King & Princeの永瀬廉が挑む。広瀬すずと共演した『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)や、現在放送中の『厨房のありす』(日本テレビ系)を通して、“恋をする永瀬廉”は見てきたが、恋愛ドラマで主演を務めるのは意外にも『東京タワー』が初となる。

これまで、『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)、『おかえりモネ』(NHK総合)、『厨房のありす』と、なにかと親に振り回される役柄を演じることが多かった永瀬。人生が思い通りにいかず憂いを秘めているキャラクターが真骨頂であることは証明されているが、恋愛で狂わされてボロボロになっていく姿は、あまり想像がつかない。2022年公開の映画『真夜中乙女戦争』で、“先輩”(池田エライザ)に恋をして振り回されてはいたが、永瀬が演じる“私”を本格的に狂わしたのは“黒服”(柄本佑)だったような気がする。そのため、『東京タワー』は俳優・永瀬廉の新境地を開拓する作品になるのではないだろうか。

そして、透が恋に落ちる“大人の女性”詩史を演じるのが、板谷由夏。『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)や『SUMMER NUDE』(フジテレビ系)の影響からか、板谷に対して“サバサバした姉御”というイメージを持っている人も多いと思う。たしかに、板谷が演じてきた役柄は、「こんな女性になりたい!」と思わせる要素が詰まっていることが多い。

2023年放送の『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(読売テレビ・日本テレビ系)では、復讐のために家政婦になりすますことになった専業主婦を演じ、かなりドロドロした表情を見せていたが、あくまでも母親として、自殺に追い込まれた娘のためにやっていたこと。『東京タワー』で演じる詩史のように、夫がいる身でありながら道ならぬ愛へと踏み出してしまう……という“サバサバ”とは相反する役柄を演じるのはめずらしい。本作は、板谷にとっても、新たな一面を開花させる作品になりそうだ。

2023年10月期に放送された『単身花日』に続き、大人向けのラブストーリーが繰り広げられることになったオシドラサタデー枠。新境地に挑む永瀬廉と、新たな魅力を開花させるであろう板谷由夏が巻き起こす化学反応に期待したい。

(文=菜本かな)

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