94歳の同性愛者に密着したドキュメンタリー映画「94歳のゲイ」が、2024年4月20日より劇場公開されることが決まった。
「94歳のゲイ」は、長い間ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、孤独の中で生きてきた1929年生まれの長谷忠さんを追ったドキュメンタリー。かつて“異常性欲”“変態性欲”と公然と語られ、治療が可能な精神疾患とされてきた同性愛。1929年生まれの長谷忠さんは、誰かと交際したことも性交渉の経験もない。ゲイであることを誰にも打ち明けることなく、好きな男性ができても告白することもできない時を過ごしてきた。詩作を心のより所にしながら孤独の中で生きてきた長谷さんに訪れた大きな変化、90歳を超えて初めて経験する“出会い”と“別れ”などを描き出している。
ポスタービジュアルは、若かりし頃のどこか緊張した面持ちの長谷さんと、静かに短歌を詠む現在の姿が対比されたデザインとなっている。予告編では、詩人として成功しながらも「ものすごく生きづらかった」と語る過去と、現在の日常生活が淡々と映し出され、長谷さんの孤独な人生が浮き彫りにされていく。一方で、日本初の商業ゲイ雑誌「薔薇族」の元編集長である伊藤文学さんのインタビューなどにより、同性愛者たちが歩んできた歴史も語られる。ラストは、長谷さんが日々書きつづっている短歌から、「笑っておくれ、人の弱みを」という印象的な言葉で締めくくられている。
【作品情報】
94歳のゲイ
2024年4月20日（土）ポレポレ東中野ほか全国順次公開
配給：MouPro.
©MBS/TBS
