奥山大史監督×池松壮亮主演映画『ぼくのお日さま』今秋公開決定 主題歌はハンバート ハンバート

史上最年少で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史監督の商業デビュー作『ぼくのお日さま』の公開が決定し、メインキャストの池松壮亮、主題歌のハンバート ハンバートのコメントが公開されています。

監督の奥山大史は、大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』で、史上最年少となる22歳で、歴史ある第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞。是枝裕和監督、岩井俊二監督らにも一目置かれ、是枝裕和総合演出のNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』で5、6、7話の監督・脚本・編集(5話は是枝監督との共同監督回)を務めたほか、3月4日(月)から放送開始するNHK夜ドラ『ユーミンストーリーズ』では、第3週「春よ、来い」(主演: 宮﨑あおい)の演出を担当。本作は長編2本目、商業デビュー作となりますが、すでに世界各国の国際映画祭ディレクターから新作を期待される、次世代の映画界を担う期待の新鋭監督です。

映画『ぼくのお日さま』は、雪の降る街を舞台に、吃音をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ荒川の3人の視点で紡がれる物語となっています。

奥山が子供の頃に約7年間フィギュアスケートを習っていた経験から、「雪が降り始めてから雪が解けるまでの少年の成長を描きたい」と本企画をスタート。プロットを考える中でハンバート ハンバートの楽曲「ぼくのお日さま」と出会い、その歌詞を聞いた途端「主人公の少年の姿がはっきり浮かび、物語がするすると動きだした」といいます。一方、本企画をスタートさせる前後に、奥山が総監督を務めた「エルメス(HERMES)」のドキュメンタリーフィルム『HUMAN ODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―』で池松壮亮と撮影を共にしたことで、池松の佇まいに魅せられ、この物語に大人の目線を加えたいと思ったことから「夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ」という池松が演じたキャラクターが作られました。奥山が、ハンバート ハンバートの楽曲「ぼくのお日さま」と、池松壮亮と出会ったことから、あたたかくて懐かしくて、でもいままでに誰も観たことがない“新しい”日本映画が生まれました。

楽曲「ぼくのお日さま」は、ハンバート ハンバートが2014年に発表したアルバム『むかしぼくはみじめだった』に収録されています。これまで主題歌オファーがあっても断ってきたほど大切な楽曲でしたが、奥山からの手紙を読んで、オファーを快諾したといいます。

また、デビュー作『僕はイエス様が嫌い』に続き、本作でも監督、撮影、脚本、編集を手がける奥山は、スケートを滑りながら、カメラを回しています。本作は、釜山国際映画祭2022で行われた世界40ヵ国288企画からなる「Asian Project Market(APM)2022」で「ARRI アワード」を受賞しているほか、これまで濱口竜介監督、三宅唱監督らの作品を世界へ紹介してきたフランスの会社「シャレード」による海外セールスも決まっており、黒沢清監督や深田晃司監督の作品をフランスで公開してきたアートハウス・フィルムズの配給により11月にフランス公開される予定。映画『ぼくのお日さま』は、今秋公開予定。タクヤ役とさくら役は後日発表されます。

[コメント]
奥山大史という凄まじい才能に出会い、対話を繰り返し、共感し合い、共犯できた全ての時間に感謝しています。
この世界の光の粒のような二人の才能に出会えたことにも感謝しています。
今作を共に創り上げたスタッフキャストと共に、この素晴らしい作品を届けることができることを幸せに思います。
この世界の雪解けを予感させてくれるような、あまりにもピュアで、心に響く映画になりました。
是非楽しみにしていてください。
――池松壮亮

奥山監督から最初手紙をいただきました。今作ろうとしている映画は、私の曲の中の「ぼく」から物語がふくらんだもので、主題歌にもその曲「ぼくのお日さま」を使いたいと。脚本や前作も拝見して、彼と是非仕事したいと思い快諾しました。出来上がった作品は、どのシーンのどのカットも実に美しい光と色で、こんな絵を撮る奥山監督は恐ろしい人だなと思います。自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです。
――ハンバート ハンバート 佐藤良成

とにかく映像の美しさが印象的でした。どこを切り取っても儚さが漂っていて、監督のキャラクターがそこに一番現れてるように感じました。この楽曲の「ぼく」や、タクヤ、荒川コーチ、それぞれに小さな救いがあったように、この映画がまた誰かのお日さまになれば嬉しい事だと思います。
――ハンバート ハンバート 佐野遊穂

いつの日か、子どもの頃に習っていたフィギュアスケートの映画を作りたいと思っていました。でもなかなか作れずにいました。ただ思い出を映像にするだけでは映画にならない、と頭を抱える日々でした。
そんな時、「ぼくのお日さま」という楽曲に出会い、惹かれるまま毎日聴くうちに、全く新しい物語が動き始め、時を同じくして、池松さんに出会い、この方の魅力を映し出すことができたら、映画になると確信できました。
この作品で商業映画に初挑戦できたこと、嬉しく思います。どうぞご期待ください。
――奥山大史

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