「伴走者のような関係でありたい」 芸術文化観光専門職大学助教の思い

芸術文化観光専門職大学助教・岡元ひかるさん

劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、演劇と観光が学べる四年制公立大学「芸術文化観光専門職大学(CAT)」(兵庫・豊岡市)の助教・岡元ひかるさんが出演。ダンサーである自身の経歴や学生らの様子を語った。

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岡元さんは4歳からバレエをはじめ、18歳のときに参加したイスラエルのコンテンポラリーダンスのレッスン「GAGA(ガガ)」に衝撃を受けた。ダンサー活動と並行し、大学ではGAGAのほかに、土方巽(日本の舞踏家)やピナ・バウシュ(ドイツの振付家)の振り付け手法をテーマに研究をすすめてきた。

「GAGA」とは、イスラエルのコンテンポラリーダンスカンパニーの振付家がリハビリ的視点から編み出したメソッドで、ダンサーのクセを意識化するのが特長だ。

暗黒舞踏の創始者・土方巽は、舞踏譜(振り付けの内容を記したもの)に「体中に虫が這っている」などの想像力を喚起させる言葉を使い、即興的な体の反応を促した。

一方、ドイツの振付家・ピナ・バウシュは「愛とは何か?」などの抽象的な宿題を与え、時間をかけてその人の内面を表出させる手法をとった。

カテゴライズしがたいコンテンポラリーダンスは、アプローチもさまざま。岡元さんは、「ダンスを作る際、ことばがどのように使われ、次世代にどう受け継がれていくのかに興味があったんです」と語る。

追手門学院大学非常勤講師、武庫川女子大学生活美学研究所嘱託研究員を経て、昨年、CAT助教に着任した岡元さん。同大学では、身体表現論・舞台芸術実習・観光プロジェクト実習を担当する。昨年末には、たじま児童劇団の学生インターンのフォローアップに入ったほか、次年度には海外実習の引率も控えており、多忙な日々を送っている。

学生の印象について尋ねられると、「フィードバックを返してくれる学生が多いのでこちらも刺激を受けています!」とコメント。今後の抱負については、「一方的な指導ではなく、伴走者でありたい」と語った。

岡元さんの言葉を受け、平田さんは「採用時は、『若いのに古典に関心がある方だな』と(思った)。海外実習の報告も楽しみにしています」と期待を寄せた。

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年2月29日放送回より

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