TBS、「TBSドキュメンタリー映画祭」開催!企画・エグゼクティブP大久保竜氏が今後の展望を語る / Screens

2021年より開催されてきた「TBSドキュメンタリー映画祭」が、東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌と、全国6都市で3月15日(金)より順次開催。

第4回となる今年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選らばれた15作品を一挙上映予定。

また、TBSテレビ報道局の局次長であり「TBSドキュメンタリー映画祭」の企画・エグゼクティブプロデューサーを務める大久保竜氏が、映画業界を目指す学生や社会人へ特別講義を実施。映画の制作や配給・宣伝などを学ぶ映画学校「ニューシネマワークショップ」に集まった約40名(うち8名リモート出席)に対して、本映画祭の成り立ちや作品選定の裏話、映画祭後の展望などを語り尽くした。

「我々は普段膨大な人とお金をかけてさまざまな取材を行っていますが、取材映像はテレビだとニュースの中のたった数分の紹介で終わってしまうこともあるので、それをまとめる場所があればいいなと思っていました。こうした取材映像は当時の記録として大切に保管すべきですし、今ならまだ実際に事件や歴史を知る人が生きているので、ファクトチェックもできます。そうしたロードマップの作成にも意義があると思いますし、実際に賛同してくれる人々も多かったです」と、取材映像を形として残すことの重要性を説く大久保プロデューサー。そうしたTBSのアーカイブ映像を整えて映画として上映したら面白いのではないか、それを望んでいる人がどこかにいるのではないか、という思いから「TBSドキュメンタリー」は始動したのだという。

大久保プロデューサーが重視しているのは、映画祭という興行を意識した作品選び。「ドキュメンタリーの場合、興行作品として重要なのは、ジャンルのコミュニティやソサエティの人々に興味を持ってもらえるかどうか。たとえば今年のラインナップでいうと、ボーイズグループ「カラフルダイヤモンド」に密着した『カラフルダイヤモンド君と僕のドリーム』は、彼らのファンクラブの方々が観に来てくれるというイメージがつきやすい。坂本龍一さんの活動を追った『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』も、坂本さんのファンや影響を受けた世代の方々がたくさんいらっしゃるので、そういったコミュニティやソサエティに属する人たちを呼べる可能性が高い。お金を払って作品を観ていただくというのは、それだけ大変なことなんです」と、上映ラインナップの選定における戦略についてもコメント。

その上で、「もちろんそれだけでなく、イスラム国の今を追いかけた『BORDER 戦場記者 × イスラム国』のような、見る人に問いかけをする“問題提起作品”も扱っていきたい。まだあまりファンがついていないと思われる作品を広めることも本映画祭の使命だと思っているので」と語り、「いずれは海外の映画祭にも出品するなど、世界にも広げていきたいんです。もっと気軽にドキュメンタリーが観られる空気を作って、ドキュメンタリー文化も発展させていきたい。世界ではどんなドキュメンタリーが流行っているかとか、ソーシャルで話題になりやすいのはどんなものかとか、いろいろとしっかり勉強していかねばと思っています」と今後の展望についても明かした。

<TBSドキュメンタリー映画祭2024 開催概要>

★東京=会場:ヒューマントラストシネマ渋谷 日程:3月15日(金)~3月28日(木)
★大阪=会場:シネ・リーブル梅田 日程:3月22日(金)~4月4日(木)
★名古屋=会場:センチュリーシネマ 日程:3月22日(金)~4月4日(木)
★京都=会場:アップリンク京都 日程:3月22日(金)~4月4日(木)
★福岡=会場:キノシネマ天神 日程:3月29日(金)~4月11日(木)
★札幌=会場:シアターキノ 日程:3月30日(土)〜4月11日(木)

TBSドキュメンタリー映画祭2024公式サイト

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