モルドバで独立宣言した親ロ派、支援要請の決議採択

Alexander Tanas

[キシニョフ 28日 ロイター] - 東欧の小国モルドバで分離独立を宣言した親ロシア派支配地域「沿ドニエストル共和国」 は28日、「全階層の議員による会議」を開き、モルドバ政府からの圧力への抵抗を支援するようロシアに要請する決議を採択した。

決議は、「沿ドニエストル共和国」がモルドバからの圧力の高まりに直面していると訴え、保護のために外交的手段を行使するようロシアの上下両院に求めている。

「沿ドニエストル共和国」はロシア国籍を持つ22万人が暮らし、東部がウクライナ国境と接している。ロシア政府の支援を受けて過去30年にわたって自治を保ち、1992年の小規模な戦闘以来、ロシア軍が駐留している。

ロシアによる2022年のウクライナ侵攻後に「沿ドニエストル共和国」を巡る緊張が高まった。モルドバ政府が西側寄りの路線に舵を切り、ロシア政府が政情の不安定化を図っていると非難したことで、モルドバとロシアの関係も悪化している。

モルドバのサンドゥ大統領はアルバニアの首都ティラナで開かれたバルカン諸国の首脳会議で、ドニエストル問題の平和的な解決を目指す方針に変わりはないと述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は首脳会議の傍ら行ったサンドゥ大統領との会談で、ドニエストル問題や、この地域の安定を揺るがそうとするロシアの動きについて話し合ったと明らかにした。

© ロイター