春節の帰省ラッシュ、中国の新エネ車はどうだった?

中国では毎年、春節の帰省ラッシュ期間にガソリン車と新エネ車の性能論争が巻き起こる。

中国では毎年、春運(春節の帰省ラッシュ)期間にガソリン車と新エネ車の性能論争が巻き起こる。普段街で運転する際に新エネ車は運転の利便性、コストの低さ、インテリジェンドライブなどの優位性を示すが、春節に車で帰省する際は遠路のケースが多いため、気温が低く電力消費が速い、高速道路の充電設備に限りがある、充電待ち時間が長すぎるなどの問題に直面するためだ。

今年の春運期間には充電状況が改善され、昨年のように多くの高速道路で充電のために数時間待つ現象はなかったが、少数のエリアでは悪天候の影響を受け、高速道路で車が数時間立ち往生し、新エネ車の発展の課題が浮き彫りになった。

充電設備の整備が必要

2023年12月現在、中国の充電設備の総量は約860万個で、充電スタンドと新エネ車の割合は約1:2.8で、充電インフラ規模は新エネ車の発展をほぼ満たすことができる。しかし、高速道路のサービスエリアの充電設備はわずか2万個で、22年8月に中国交通運輸部が発表した「高速道路のサービスエリアの充電インフラは原則として小型車の駐車スペースの10%を下回らない」という目標までまだ3万個の差がある。

中国の一部の新エネ車メーカーは自社で充電ネットワークを構築し、ドライバーに長距離を走る自信を与えている。例えば、蔚来汽車(NIO)は中国全域にバッテリー交換設備を2360基設置し、高速道路には769基ある。

充電供給の革新的なソリューションを増やす

中国の一部都市では今年、「移動充電車」を導入し、高速道路のサービスエリアの充電サービス能力を高めた。安徽省合肥市の電力会社はサービスエリアに移動式エネルギー貯蔵充電設備を設置し、新エネ車のドライバーに充電サービスの提供を保障している。

電力会社スタッフの操作の下、エネルギー貯蔵充電設備を新エネ車の前に移動し、通常の充電スタンドと同じ方法で、QRコードをスキャンすると充電できる。

中国の一部の都市は23年に緊急対応として移動式充電設備の試みを始めた。江蘇省蘇州市では23年8月に祝祭日の電気自動車(EV)の充電スタンドの高負荷圧力に対応するため、1時間で100%充電できる移動式応急充電スタンドの使用を始めた。この新型充電スタンドの開発と運用はEVの充電の不便さや充電待ちなどの問題を緩和するために革新的なソリューションを提供した。

新エネ車の複数の技術路線が並行して発展

春運期間の車の使用において、ハイブリッド車の状況はバッテリー式電気自動車(BEV)よりずっと良い。これはHEVシステムのエネルギー補充の面に優位性があり、かつハイブリッド技術の30年近くの研究開発と応用の蓄積のおかげでもある。

このような考慮のためか、比亜迪(BYD)、吉利(GEELY)、長城(Great Wall)など中国の多くの自動車メーカーはハイブリッド車を積極的に開発し、急速に中国ユーザーの愛顧を得ている。

現在、中国の消費者の一般的な見方はやはり「都市内の短距離運転なら新エネ車を使用してもいいが、都市間の長距離運転ならガソリン車を使用した方がいい」であり、技術の進歩と充電インフラの整備に伴い、ドライバーが長距離運転でも安心して新エネ車を使用できるようになることを望む。(翻訳・編集/RR)

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