兄貴分ワンコに依存気味の保護犬 人への信頼を取り戻し甘えん坊ぶりを発揮 大切にしてくれる人、見つかりますように

兄貴分のベッカムと一緒に動物愛護センターに収容されたブリトニー

保健所や動物愛護センターには同じ家庭や繁殖場などから、一度に数匹のワンコが収容されることがあります。2023年秋に茨城県の動物愛護センターに収容されたテリアの血統のミックス犬のベッカム(オス)と、ダックスの血が入ったミックス犬のブリトニー(メス)も、同じ環境で過ごしていたとおぼしきワンコです。

推定の月齢ではブリトニーが2〜3歳若いとみられましたが、適切なケアを受けていなかったのか、歯石だらけ。以前の劣悪な環境がうかがえました。

2匹を引き出したのが犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)。動物病院の獣医師の指導のもと、医療ケアを施しながら、幸せな第二の犬生へ繋ぐことを目指しました。

人前ではなかなか食べてくれなかった

保護当初のブリトニーはずっと心を閉ざしていました

ブリトニーは動物愛護センターでは、警戒心と緊張からか2日間もゴハンを食べなかったそうです。また、兄貴分であるベッカムに極度に依存しており、ベッカムのそばから離れようとしません。

里親募集を考えると、「2匹一緒に迎え入れてくれる」という方が必ず見つかるとは限りません。そのため、あえてブリトニーとベッカムを別々の預かりボランティアさんに託すことになりました。

初めてベッカムと離れて暮らすブリトニーは、預かりボランティアさんの家でもやはり食べてくれませんでした。ただ、保護当初よりは表情が柔らかくなっており、無理強いせずに見守っていたところ、その日の夜中にはきれいにエサを食べてくれました。緊張しつつも、きっと空腹だったのでしょう。強い警戒心から人前で食べることを我慢していたブリトニーを思うと、預かりボランティアさんは胸が苦しくなりました。

心を開いてくれた一方、初対面の人の前ではまたシュン…

やがて「人前で食べても怒られないし、攻撃されない」「しかも、めっちゃ美味しい」と思ってくれたのでしょうか、預かりボランティアさんの前では食べるようになり、部屋中を走り回るようになりました。推定2〜3歳、その動きは機敏です。

でも、初対面の人の前だと一変。じっと固まってしまうのです。初めてブリトニーに接する人は口をそろえたように「おとなしいワンちゃんだね」。このギャップに預かりボランティアさんは少々困惑しました。これまで何匹もの保護犬を世話してきた経験から「逆に考えれば、ブリトニーは『空気を読む』お利口さん。より多くの人、環境に馴れてしまえばきっとさらに成長してくれるはず」と考えるようにしました。

伸びしろが多いブリトニーに幸せが訪れますように

かつて超依存していた兄貴分のベッカムと

預かりボランティアさんの予感は的中し、少々時間はかかったものの、やがてブリトニーはどんな人、どんなワンコの前でも本来の自分を出せるようになりました。さらには人にもワンコにも自ら「遊ぼう!」と積極的に誘うことも見られるようになりました。

そこでわかったことは、ブリトニーはかなりの甘えん坊であること。預かりボランティアさんには特にその信頼感から「なでてなでて!」「かまってかまって!」とアピールします。

若く伸びしろも多いブリトニーは程なくして里親募集をスタート。苦境を一緒に過ごしたベッカムと離れることは寂しいかもしれませんが、生涯を終えるまで大切にしてくれる家庭で2匹とも幸せになってくれることを祈るばかりです。

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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