【米大統領選2024】 トランプ氏の立候補、イリノイ州裁判所が認めず 3例目

米イリノイ州の裁判所は28日、ドナルド・トランプ前大統領が2024年大統領選の同州での予備選に立候補できないとの判断を示した。裁判所は2021年1月の連邦議会議事堂襲撃にトランプ氏が関わったことが、反乱に関与した人物の公職就任を禁じた憲法の修正条項に触れるとした。

クック郡巡回裁判所のトレイシー・ポーター判事は、連邦議会議事堂襲撃におけるトランプ氏の役割から、同氏が合衆国憲法修正第14条3項に違反しているとする有権者の主張に同意した。

合衆国憲法修正第14条3項では、憲法の擁護を宣誓して公職に就いた者について、アメリカに対する反乱や謀反に関わった場合は再び公職に就くことが禁じられている。

トランプ氏の予備選への立候補をめぐっては、これまでにコロラド州とメイン州で、修正第14条3項を理由に、立候補資格を認めない判断が下されている。

ポーター判事は、コロラド州が示した論拠は「説得力がある」とし、イリノイ州選挙管理委員会がトランプ氏を投票対象から外すという選択肢を却下したのは間違いだったと判断。

「イリノイ州選挙管理委員会は2024年3月19日に行われる予備選の投票用紙からドナルド・J・トランプ氏を除外するか、トランプ氏への投票が抑制されるようにしなければならない」と命じた。

最終的には連邦最高裁が、すべての州について、トランプ氏の立候補資格の有無を決定する可能性が高い。

イリノイ州の予備選は3月19日に予定されている。

予備選の期日前投票はすでに始まっている。共和党の最有力候補のトランプ氏の名前は少なくとも3月1日までは候補者名簿に残る。同氏が上訴する時間的猶予はある。

トランプ氏側の反応

トランプ氏陣営のスポークスマンは、裁判所の判断は「違憲」だとし、上訴すると宣言した。

「(ハンガリー生まれの著名投資家ジョージ・)ソロス氏から資金提供を受ける民主党の偽装集団は、選挙を妨害し、トランプ大統領の正当な投票権を否定する試みを続けている」

トランプ氏はコロラド州最高裁の判断を不服として、すでに連邦最高裁に上訴している。

連邦最高裁は今月初め、コロラド州での判断に懐疑的な見方を示していた。

ブレット・キャヴァノー連邦最高裁判事は、大統領にトランプ氏を望むかどうかを有権者自身が決めることが許されないのであれば、「選挙権を奪う効果」があると判断できるのではないかと、疑問を投げかけた。

(英語記事 Illinois judge kicks Trump off primary ballot

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