NTT西、森林社長が引責辞任へ 顧客情報928万件流出で3月末

記者会見するNTT西日本の森林正彰社長=29日午後、大阪市

 子会社で約928万件の顧客情報が流出した事件が起きたNTT西日本の森林正彰社長は29日、記者会見し「不正持ち出しの社会的責任は極めて重大で、責任を取って退任する」と3月末で引責辞任する意向を表明した。日本を代表する情報通信グループで大量の情報流出は異例で、新しいトップの下で再発防止を進める。

 NTT西側は2022年に顧客企業から情報流出の可能性を指摘され、調査していたにもかかわらず発見できず被害の拡大を招いた。当時の社内調査を検証した外部の弁護士は会見で「調査に値しない作業しか実施しておらず、事なかれ主義的な対応を繰り返した。虚偽回答もあり、極めてずさんだ」と非難した。

NTT西日本の森林正彰社長

© 一般社団法人共同通信社